Saturday, May 28, 2011

28/05 よみうり寸評 - 現代の学生たちが「3・11」後の日本の復興を支える存在であってほしい

5月28日付 

 明治初期、欧米諸国の先進的な知識を吸収しようと、多くの若者が海を渡った。その中に専修大学の前身、専修学校の創立者となる相馬永胤ながたねら4人がいた◆米国でそれぞれ法律や経済を学び、これらの学問を英語ではなく日本語で教えられる学校を日本に作ろうと誓い合う。専修学校の開校は、明治13年(1880年)のこと◆専修大の創立130周年記念映画「学校をつくろう」には、そんな彼らの姿が描かれている。今年2月に公開され、今夏には、仙台、盛岡、福島でも上映される予定という◆ここ数年、海外の大学への留学者数が減少し、「内向き志向」や「ひ弱さ」が指摘されてきた平成日本の若者たち◆だが、東日本大震災後の被災地では、土砂の撤去をしたり、子供の遊び相手になったりする学生ボランティアの姿がある◆「学校をつくろう」の原作は、志茂田景樹氏の小説「蒼翼の獅子たち」。近代日本の礎となった若き獅子のように、現代の学生たちが「3・11」後の日本の復興を支える存在であってほしい。

(2011年5月28日14時05分 読売新聞)

No comments:

Post a Comment