5月20日付
ドイツ人と日本人の放射能に対する恐怖心にはかなりの格差があり、日独の国際結婚をした夫婦の間では日本の原発事故に対する反応でいさかいが起きたりした◆ドイツに住む日本人の多くは日本の家族にしばらくドイツで暮らすよう提案したがほとんどがあっさり断られてもいるという◆これは、先日当欄で紹介したドイツ在住のジャーナリスト、永井潤子さんの話のつづき。さて、4月に日本を訪れた外国人旅行者は29万5800人で前年同月比62・5%減少した。3月の50・3%減を上回り、過去最大の落ち込み◆国・地域別で減少率の大きいのは、香港、韓国、中国、米国など。敏感な反応はドイツばかりではなさそうだ◆放射能のリスクを「正しく心配する」のはいいが「正しく」が難しい。過剰な反応を招きがちだ。不要不急の旅なら、見送ろうにもなる◆実情に誤解のないよう世界へPRが必要だ。いや国内も同じこと。原発から100キロも離れた会津地方の観光地が風評被害のキャンセルに苦しんでいる。
(2011年5月20日14時07分 読売新聞)
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