Saturday, May 28, 2011

16/05 よみうり寸評

5月16日付 

 「隅田の川面にやぐら太鼓のバチ音が響いて風薫る夏場所であります」NHKの相撲放送がなくて寂しい◆「風薫る」は5月場所にふさわしいが、「風薫る技量審査場所」では、しまらない。川面を吹き渡る風に浴衣の裾をなびかせる力士の姿。5月場所は年6場所の中でも相撲の風情が一番と思うファンは少なくない◆1月を春場所、5月を夏場所と呼んで年2場所が常態だった昔からある伝統の場所だ。年2場所が定着し始めたのは江戸時代・宝暦年間(1751~64年)というから5月場所の歴史は長い◆それが野球賭博やら八百長やらで、先場所が開催されなかったのに続いて、今場所は無料公開の技量審査場所だ。きのうはそんな場所の中日だった◆TVの放送もなく、寂しく情けないが、横綱白鵬と新入幕魁聖が全勝で給金を直した。新入幕の8連勝は1980年九州場所の佐田の海以来31年ぶり◆魁聖はブラジル出身の24歳。久々に大物感もただよう。新入幕力士の連勝記録は大鵬の11だ。それを目指そう。

(2011年5月16日13時40分 読売新聞)

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