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Monday, September 5, 2011

05/09 余録:SPEEDI問題 - Gov't must learn lessons from nuclear crisis response to avoid repeating mistakes



A radiation expert says what has infuriated him most since crisis broke out at the Fukushima No. 1 Nuclear Power Plant is that the government initially withheld data from the System for Prediction of Environmental Emergency Dose Information (SPEEDI), which predicted how radioactive substances would spread. His anger is understandable.
Clouds of radioactive substances drifted northwest as well as toward the Kanto area around Tokyo between March 15 and 16, and between March 20 and 22. There are many people who fled to areas that the clouds were drifting towards, and those who allowed their children to play outdoors without knowing how radioactive substances were spreading. It is difficult to imagine how people saying, "If I had only known about the projections ..." are feeling now.
A government map displaying radiation levels in the area around the Fukushima No. 1 Nuclear Power Plant.
A government map displaying radiation levels in the area around the Fukushima No. 1 Nuclear Power Plant.
As if to add insult to injury, it has turned out that projections made on March 11 of nuclear reactor core meltdowns were ignored by the Prime Minister's Office. It is surprising that the government has disclosed this fact at this stage, but its claim that it "never thought of utilizing the data because it is not based on confirmed facts" is also astounding. Exactly because facts cannot be immediately confirmed, the government should have protected residents of affected areas by making predictions. SPEEDI, as well as a system to predict meltdowns, exists for that very purpose.
The government is now paying the price for ignoring the projections of the widespread diffusion of radioactive substances. Numerous beef cows were contaminated with radiation through tainted feed, and so-called hot spots -- sites where radiation levels are far higher than the surrounding area -- have been discovered one after another. The government's acknowledgement, six months after the nuclear crisis began, that residents of highly contaminated areas cannot return home for decades also appears to be an "after-effect" of ignoring the diffusion predictions.
An experiment to decontaminate soil is conducted in Kawamata, Fukushima Prefecture, on Aug. 11. (Mainichi)
An experiment to decontaminate soil is conducted in Kawamata, Fukushima Prefecture, on Aug. 11. (Mainichi)
University of Tokyo professor Tatsuhiko Kodama has urged that an expert committee comprised of "fresh" members be set up to protect children and expecting mothers from radiation, and promote the decontamination of affected areas in an appropriate manner. Kodama places emphasis on "fresh" members because he fears that experts who have been involved in the past mistakes will only make excuses. His opinion is convincing, considering the government's response to the nuclear crisis.
Unfortunately, all the Diet members were directly or indirectly involved in the mistakes. Therefore, all politicians should confront the mistakes made in the days and weeks after the meltdowns. The new administration of Prime Minister Yoshihiko Noda must pay close attention to the crisis to see if any mistake is being made, and eliminate the causes of any potential mistake. ("Yoroku," a front-page column in the Mainichi Shimbun)
(Mainichi Japan) September 8, 2011

余録:SPEEDI問題

 福島第1原発の事故発生以来、一番腹立たしかったことは何か。研究者と話して意見が一致した。事故当初、放射性物質の拡散を予測する「SPEEDI」のデータを政府が非公開としたことだ▲放射性物質の雲は3月15~16日や20~22日ごろに北西方向や関東地方などに流れた。拡散を知らず雲が向かった地域に避難したり、子どもを外で遊ばせた人もいる。「予測さえ知っていれば」。そう思わずにいられない当事者の気持ちはいかばかりか▲追い打ちをかけるように炉心溶融の予測が放置されていたこともわかった。今ごろの公表に驚くが、「事実に基づくデータではないので活用に思い至らなかった」との釈明にもがく然とする。「事実」がわからないからこそ「予測」によって住民を守る。溶融予測も拡散予測もそのためのシステムではなかったのか▲大量の放射性物質の拡散から目を背けたツケは大きい。稲わらによる牛肉の汚染、今も続く新たなホットスポットの発見。半年近くたって「何十年も帰れない」という見通しが飛び出すのも、その「後遺症」と感じる▲「子どもと妊婦を守り、的確な除染を進めるために、清新な有識者による委員会を」。東大の児玉龍彦教授が訴えている。「清新」と断るのは、これまでの「失敗」に関与した人々は言い訳に陥りやすいから。政府の対応を見ると、その指摘にうなずかざるをえない▲残念ながら今の国会にこれまでの失敗に無関係な人はいない。だからこそ、過去の失敗から目を背けずに向き合う。現在進行中の失敗がないか目を光らせ、先手を打つ。そんな真摯(しんし)さと胆力が新政権に問われている。
毎日新聞 2011年9月5日 0時01分

Wednesday, May 4, 2011

04/05 放射性物質拡散予測、文科省が公表 震災翌日から5日分

2011年5月4日2時27分

 政府は3日夜から、東京電力福島第一原子力発電所からの放射性物質の広がりについて、「緊急時迅速放射能影響予測システム(SPEEDI)」を用いて予測した結果を、順次ホームページ上で公開し始めた。これまで非公開とされていた。あくまでも想定だが、具体的な放射性物質の拡散の様子がわかる。迅速に公表していれば、避難方法の検討などに役立っていた可能性がある。

 文部科学省は、地震翌日の3月12日から同16日までに行った38件について公開した。12日午前2時48分には、1号機の格納容器の圧力が異常上昇したことを受け、放出された場合の24時間後までの影響を見積もっていた。同日午後6時4分には1号機の水素爆発を受けた計算もしていた。

 また、経済産業省原子力安全・保安院は地震のあった11日の夜から15日にかけて42件の計算をしていた。

 細野豪志首相補佐官は今月2日、関係機関が行った拡散予測をすべて明らかにするとの方針を示していた。計算結果は、文科省ホームページ(http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1305747.htm)と、保安院ホームページ(http://www.nisa.meti.go.jp/earthquake/speedi/speedi_index.html)にそれぞれ掲載されている。

Saturday, April 16, 2011

14/04 枝野官房長官の会見全文〈14日午前〉

2011年4月14日14時38分

 枝野幸男官房長官の14日午前の記者会見は次の通り。

 【リーダーシップ】

 ――民主党の小沢一郎さんが震災を受けた「見解」をまとめ、菅政権の対応について「総理のリーダーシップが見えない無責任な内閣の対応は今後さらなる災禍を招きかねない」と批判している。党内で政権の対応が理解されていない現状についてどう受け止めるか。

 「国会議員はもとより国民に様々な意見があり、特に、現実に多くの皆さんに苦労をかけている状況なので、様々な批判があるのはやむを得ない。そうしたことを真摯(しんし)に受け止めながら最善を尽くしていきたい」

 ――党内で倒閣運動の動きが再燃したことについてどう考えるか。

 「今と回答は同じだ」

 【「当面住めない」発言】

 ――昨日、総理が原発周辺に当面住めないと発言した、と報道されたことで、地元の市町村長で涙を流して抗議する人もいる。一連の総理の発言が混乱を招いているのはなぜか。どうすればいいと考えているか。

 「その後、(首相の発言内容を記者団に紹介した)松本(内閣官房)参与自身も言っていたようだし、その後私も総理にもうかがったが、総理はそういうことをおっしゃってないということだが、特に、間接的に総理がこう言っていたとか、という話については若干ニュアンスが異なってとか、そういったことがありうると思うので、それについては特に総理と会う方には、ここは難しいところで気をつけないと、何か発言を封じるようなことに受け取られてもいけないと思うが、総理がどうおっしゃっていたかについて、外で説明する時はまさに間接になるので、誤解を招かないようにということについては、留意いただくよう徹底しないといけない」

 ――総理は昨日のブログで、1カ月ブログ更新しなかった理由について、「多くの情報が飛び交う中で混乱を避けるために中断していた」と。自らの発言が混乱を招くことを認めているが、なぜ総理発言が混乱を招くことになるのか。

 「総理がブログを再開したことは承知しているが、私が事前に読んで赤ペンを入れるわけじゃないので、まさに詳細、具体的な文脈を今聞いたので、直接的にどういう文脈でどういう意図、趣旨のことか正確に把握していないので、いま私が申し上げた話ではないが、誤解を招くようなことになってはいけないので改めて文脈の前後、全文をしっかり読んで答えたい」

 ――国の危機に対して、総理大臣は混乱を避けるためにどう発信すべきだと考えているのか。

 「政府としてまず、データに代表される情報はしっかりと公開をすることは大変重要なことである。政府として国民のみなさんに必要なメッセージを様々な形でできるだけ多くのみなさんに伝えることは大変重要だと思っている。それをどういう手法でだれが担当するかについては、すべてのことを総理ができるわけでもないし、まさに、たとえば内閣として避難所での壁新聞とかラジオによる広報など色々やっているが、様々な手法とそれぞれの役割分担の中で、政府としてお伝えすべきことをお伝えしていくということだと思う」

 ――総理はそういう趣旨の発言をしていないということだが、地元で真意を問う声が上がっている。地元に対して政府から真意を説明する機会をつくる考えはあるか。

 「当該地域から避難している皆さんには大変な結果的に心配をかけることになり、そこは大変遺憾に思っている。いま順次、避難、あるいはこれから避難をお願いする地域などの自治体とは政府として意思疎通をしっかりと強化していくプロセスに入ってはいるが、必ずしもまだまだ十分ではないところがあるということは真摯に受け止めなければならない。そうした中で、こうしたことが真意ではないにしても、伝わって心配をおかけしていることも踏まえながら、できるだけ今後の見通しも含めて関係する自治体、あるいは当該地域の住民にお伝えをどういう形でどう進めるのかということは、昨日の発言があったからではないが、ここ数日検討をできることから進めている」

 ――しかるべき立場の人が現地に赴いて説明する機会を設けるということか。

 「広い意味では現地には、震災についても原発についても政府の現地対策本部があり、この間もそこに関係自治体と住民とも連携、情報の疎通ということについてはするようにさせてきたところではあるが、必ずしもそれが十分ではないということは真摯に受け止めなければならないと思っているので、どういう態勢で意思疎通をすればしっかりと必要な情報が伝わるのかということについて今検討しているところだ」

 ――総理の発言ではないということを地元自治体の首長に政府から伝えているのか。

 「直接、具体的にどういう段取りで、どういうルートでということは把握していないが、確認をしてきちっとしていなければ改めてきちっと政府として公式にお伝えをしなければいけない」

 ――情報を訂正する作業において、政府が反省する点はないのか。昨日の夕方の会見で、官房長官はやりとりを確認していないし、記者に何を話したか確認していないのでコメントできないと。なぜ確認しなかったのか。そもそも、当事者の総理が説明すれば国民には分かりやすいのではないか。

 「まず前段については、私が松本参与の発言があるということをうかがったのは会見の直前、文字通り直前だったので、正直、一瞬会見を遅らせてお願いをしようかなと思ったこともあったが、しかし、少なくとも政府として松本参与が総理発言としてされたとされるようなことを、昨日の私の会見でも申し上げた通り、政府としてそういった認識はしていないことははっきりしていたし、総理も同じ認識であることは承知していたので、会見、皆さんにお待ちをいただいていたので、会見を遅らせることなく始めたので、その時点での認識を正直に申し上げた。その後、松本参与が自ら正確に伝わっていないということできちっと公表されたと、認識を訂正されたということはうかがっているし、これを誰がどういう形で訂正するのがいいのかについては様々な意見があろうとは思う。今日あらためて、私からもおたずねもあり、しっかりと真意でないことについては今申し上げさせていただいている」

 ――総理が表に出てこない以上、そういうふうに伝わること自体が総理の責任だという認識はあるのか。

 「総理がどういうやり方で、どういうふうに国民の皆さんに総理が今考えていることとか、政府として総理が国民に直接伝えるべきことについてお伝えするのかについては様々な意見があることについては認識している。そうしたなかで、どういうやり方が相対的にいいのかということについては、日々、様々な、いまのようなことも含めて、意見を踏まえながら日々、検討していただいていると認識している」

 【政府・与党の関係】

 ――民主党の小沢さんを含めた対応だが、政権与党が原発対応や震災対応にあたるなかで、まとまりに欠ける状況について、どうあるべきだと考えるか。

 「お答えは基本的には最初にお答えしたことと一緒だ。それについて、国民の皆さんがそうした発言を、あるいはコメントされた方に対しても、あるいは政府に対しても、それぞれ評価をされるんだと思っている。政府としては今、課されている役割、震災と原発について総力を挙げて対応するということに尽きる」

 ――与党にも責任があると国民は見ているが。

 「それは国民が判断することだ」

 ――政府・与党は一体として、この事態に取り組めていると認識しているのか。

 「政府・与党にとどまらず、震災発生以降、国会審議等含めて、あるいは様々な場を通じて意見、あるいは情報をお寄せいただくなど、党派超えて、国会をあげて協力をいただいていると感謝している」

 【計画的避難区域】

 ――昨日の与野党の合同会議で、細野首相補佐官が計画的避難区域について、まだ設定予定地域だと。これだと今後自治体の意向によって変わる余地を残した発言だ。出席者によると、政府側の説明がそれぞれ違い、あいまいだと。計画的避難区域の位置づけは政府内で明確になっているのか。

 「最終的には原子力災害対策本部長として内閣総理大臣が指示をする、市町村長に指示をするということだったと思う。まさに、それぞれの地域の事情に応じて具体的な避難の仕方、あるいは避難後の、例えば、避難後にどの程度当該地域に出入りできるのかなど、あるいは人間にとどまらず、家畜などがたくさんいる地域だったりとか、そういうことを含めて具体的に避難をされるやり方や、避難された後の対応について、しっかりと地元の皆さんの声、地元の事情をふまえて全体としての計画を立てる。それに基づいて避難をしていただくという計画的避難指示なので、そうした計画を立てたうえで最終的な指示を出すということなので、まさにそういったレベルについては地元の皆さんの、まさに地域の声を踏まえて、具体的な計画の詳細については決めていく。そのプロセスにあるということだ」

 ――計画と指示はエリアごとに段階的に避難するということだったが、全部まとめてすべての計画が確定した段階で出すのか。

 「それについても地元の事情を踏まえながら、安全性の観点との兼ね合いのなかで決めていきたいと思っているので、最終的に確定しているわけではない」

 ――1か月をメドというのは、先日の枝野さんの会見から1か月なのか、総理の指示が出てから1か月なのか。

 「おおむねのメドなので、必ずしも起点、何月何日からの1か月で安全でなくなる、という意味での1か月メドということではないので、まさに全体の計画の具体的なありようのなかで安全性に問題のない範囲内で具体的計画を決め、指示をするということだ」

 【野党の参加】

 ――総理と国民新党の亀井代表の会談で、復興実施本部を設置して、与野党の幹部が入るということを決めたが、政府として認めるか。

 「総理と連立を組む国民新党の代表との話なので、それに基づいて様々なことが具体的に動くのかもしれないが、現時点で何らかの具体的な指示があるわけではない」

 ――計画的避難区域で住民がどうなるか分からない中で、昨日の総理の発言が出た。よけいに混乱を招いたことをどう考えるか。

 「そもそもが、総理がそういったことをおっしゃっていなかったので、結果的にそういった不安を抱かせる結果になったことについては真摯に受け止めなければいけないと思っているが、あらためて中長期的な見通しについては、原発をまず収束させ、さらに安全性を確認しながら様々なモニタリングを充実させていくことの中で出てくる話だ。ただ、まずは少なくともいったんは避難をしていただかないと、健康に問題が生じる可能性が出てくるということなので、そのことを繰り返し丁寧に説明申し上げ、なおかつ、特に近い部分のところは一度大きく出ているが、今問題になっている飯舘村などについては安全性の観点と、それから地域の要望を踏まえながら対応していくということで、丁寧に相談しながらやっていくということで、理解をお願いしていくしかない」

 【復興構想会議】

 ――今日午後に復興構想会議の初会合がある。どういう議論を期待するか。

 「五百旗頭議長を始めとして、それぞれの知見のあるみなさんに集まって頂いて議論されるので、我々から具体的にどうこうということはあまり申し上げるべきではない。まずは被災者のみなさん、そしてそれを支援して頂いている日本全体の国民のみなさん、そして日本に注目をし、この間支援をして頂いている世界のみなさんが、なるほど日本はこれで復興するんだと、復興後の日本は地震による多くの方の命が失われて、大変なご苦労を被災者のみなさんにおかけをしたけれども、震災前の東北よりも、震災前の日本よりも、すばらしい日本になったんだということを思って頂ける、そのことの期待を持って頂けるような議論をして頂きたいと願っている」

 【レベル7引き上げ】

 ――BS番組で福山官房副長官が、原発事故の暫定評価のレベル7への引き上げについて「遅かったことを反省しないといけない」と発言した。引き上げの遅れは、周辺地域の人の健康への影響や事故対応に影響はなかったといえるのかどうか。

 「昨日来申し上げているが、そして昨日の私の発言が若干誤解を招きかねない発言であったので、その点の正確な申し上げ方も含めて申し上げたい。3月の時点で、原子力安全委員会が『SPEEDI』つかって3カ所のモニタリングの結果から逆算して、原子力発電所から出ている放射線量について推定をした。それについては原子力安全委員会等から私も報告を受けていた。この推定によると正確な数字まで記憶はしていないが、今回出た京レベルのベクレル数になるというような推定、推測の話は3月中に報告を受けていた。ただ、それが確からしいものであるかということ、それがレベル7に引き上げるべき対象の数値であるということは、11日夕方に報告を受けたということ。ただ、まさに数値が漠とした確実性のない数字ではなくて、かなり確からしい数字であるということが確定したので、それを受けてレベル7への引き上げを行った。ただ、その3月の段階で京単位のベクレル数で放出をされていた可能性があるということの報告というか分析、予測がなされた時点から、そのことを前提にした、つまりもしも状況が悪ければこういうぐらいの数字になることもありうる、ということの認識は持っていたわけであるので、そのこと前提に避難のエリアであるとか、原子力発電所に対する対応であるとかいうことは確定値ではない、あるいは確実性の高い数字はないけどもそういう数字である可能性があるということを踏まえて対応してきているので、対応が遅れたということはないと思う」

 【地震予測システム】

 ――東大のロバート・ゲラー教授が、英国科学雑誌ネイチャーに「日本の地震予測システムは、最近の大地震を十分予測できず欠陥がある。今のシステムは即刻やめるべきだ」と論文を発表した。政府の受け止めと中長期の地震予知のあり方を見直す考えはあるか。

 「まずその専門家のみなさんのなかにおける専門的な意見の違いそのものは、専門家でない政治の立場から直接コメントするべき性質のものではないと思う。ただ、専門家のなかにある意見、それが専門家の間での一致した意見ではないとしても、安全性確保、防災という観点からは、よりリスクの高い可能性の指摘を前提に対応をすべきであると私は思っている。そうした意味では、今回の原子力発電所に対する津波被害について、大方のみなさんは安全だということで評価されていたようだが、国会等でも一部から津波等による被害についての危険性を指摘されていたにもかかわらず、その準備がされていなかったということについては、これは真摯に受け止めねばならない。したがって専門家の間のみなさんのなかの、まさに意見の分布の状況とか、そういったことを踏まえて、現状の全体としての地震対策について見直す必要があれば当然見直すことになるが、それはまさに科学的な一定の議論なり、具体的にその主張が論文等に出されたうえで、専門家のみなさんの意見を踏まえて、政府としての政治行政の対応は決まっていくと思う」

 【計画的避難区域】

 ――避難計画で「1カ月をめどに」というが、起点は発表からなのか、指示が出てからなのか。

 「言葉の性格として何月何日でいけないということではない。しかも、計画的避難指示を出すことを予定している地域のなかにおいても、積算の放射線量の予測数値が大きくある程度幅を持っているので、1カ月メドというのはまさに文字通り1カ月をメドということで、それまでに様々な具体的な計画や避難後の対応について、地元のみなさんと相談して、特にリスクの高いところからできるだけ早く避難をしていただくということを進めるということについて、1カ月程度を目標に立ててやっていくということ。だから何月何日でないといけないとかという意味で1カ月をメドと申し上げたわけではない」

 ――指示から1カ月なのか、発表から1カ月なのかわからないと、地元自治体や住民は困ると思うが。

 「いつまでにこういう段取りで避難をしましょうという計画を、そのものを今自治体のみなさんとご相談して、実際に指示が出される時にはそうした具体的な計画そのものまで指示の内容に入れるわけではないが、そうやって地元のみなさんと調整してある程度具体的に立てられている計画を前提に指示をだすので、その時点ではその計画でのいつごろまでにというのは示されることになると思う」

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24/03 枝野官房長官の会見全文〈24日午前11時〉

2011年3月24日13時25分
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 枝野幸男官房長官の24日午前11時過ぎからの記者会見の内容は次の通り。

 【水道からの放射性物質】

 ――東京都で乳児向けの水の配布が始まっている。都は国に対し増産をお願いすることを検討しているようだが。

 「今回の水の、乳児向けにはできるだけ使わないようにという対応を含めて、できるだけ長期にわたってそうした数値のものを摂取しても健康に影響の出ることのない、非常にレベルの低い段階での数値に基づいて、様々な措置をお願いをしている。従って、今回の東京都の場合、乳児については、そうしたことを考慮して、非常に念には念を入れた安全基準に基づいて、乳児が摂取することをお控え頂きたいということをお願いした」

 「それ以外の皆さんについては、まったくといっていいほど影響を及ぼす可能性はない。ぜひ、乳児を抱えている皆さん以外は、冷静な対応をお願いしたいが、同時に現実的に乳児を抱えている皆さんに影響を及ぼすことがないように、東京都においても万全の措置を取ってもらっているが、国としてもペットボトル飲料についての増産とそれについての適切な供給を関連部局に指示したい」

 ――メーカーには供給を増やすのは難しいという声もある。どう対応するか。国外に供給を求めることは。

 「可能性としてはあらゆる可能性を踏まえて検討を進めている。繰り返し申しあげるが、今回、これは水に限らず、様々な基準値は長期にわたって摂取をし続けた場合に備えて、様々な基準値を設け、それに基づいて対応をお願いしている。水について言えば、東京都でいま出ている数値は、乳児以外はそうした数値も下回っている状況で、ぜひ冷静な対応をお願いしたいし、どういう数値に基づいているのかについては、引き続き繰り返し丁寧な説明を心がけていきたい」

 【原発事故】

 ――NHKの映像を見ると、福島第一原子力発電所のあちこちの原子炉から煙が出ているようだが現状は。昨日、原子力安全委員会の斑目委員長が1号機についてかなり溶融が進んでいて、最も危険な状況であるとコメント。この辺りの認識は。

 「煙が出ていることについては、燃料プールが水が入って、そこが冷却されている中で、一定の水蒸気が外に出ているのは、これは当然あることだ。同時に、あらゆる可能性について、考慮しながら慎重に見極め、分析を現場においてしている状況だ。それから、斑目委員長の昨日の発言は、報道等では大変楽観的な報道もなされているようだが、繰り返し申しあげている通り、今の時点でこれ以上の悪化を食い止める状況を数日間続け、なおかつその間に改善に向けた、例えば電子系統、整備等の努力をしてもらっているが、決して予断を許す状況ではない、緊張感をもってそれぞれについて対応している状況だ」

 「そうした中で、昨日、1号機の炉の温度が上昇するという事象があり、冷却をさらに強力に進めることによって、温度は低下しているが、その分、圧力は高まっている。ただちに何かが起こるという状況ではなくて、冷却をしっかりと進めながら、圧力をいかに減らしていくかということで対応して頂いており、そういった意味で相対的には1号機について、さらに努力と注視が必要であるいう認識なんだろうという報告を受けている」

 ――1号機について、炉心の損傷と、圧力容器そのものの損傷、あるいはこれから損傷する危険性についての認識は。

 「現時点で圧力容器に損傷が出ているということではないというふうに報告を受けている。ただ、原子炉の状況は冷却とそれからそれによって温度を下げることと圧力と、これは順次、例えば温度についてのモニターがいろんなやり方である程度できつつある中で、そうした数値を専門家に、1号炉に限らず、注視をし続けて、慎重に対応しなきゃならないということでは、従来から変わっていない。そうした状況を引き続き、緊張感をもって進めている」

 【首相と原子力安全委員会委員長の面会】

 ――先ほど、首相のところに斑目委員長と海江田経済産業大臣が入っていたが、首相からどのような話が。

 「今朝までの様々な状況の報告と確認がなされた。その上で、原子力安全委員会が政府に対して、様々な安全性について助言し、場合によっては勧告をする意味で、大変大きな役割を担って頂いているわけで、一つには原子力発電所についての安全性、そのリスク管理についての勧告、助言、この間も斑目委員長中心に進めてきて頂いているが、さらに水道の水とか、野菜等への放射線による影響が広がっている状況の中で、原子力安全委員会において、委員の皆さんはもとより、事務局含めて、より万全な態勢でこうしたことについての対応ができるように、官邸としても様々なバックアップをするので、さらに強力に進めてほしい、こういった趣旨の指示が原子力安全委員会に対してなされている」

 ――首相が経産省原子力安全・保安院に適切な助言するように斑目委員長に指示したとのことだが、意図は。

 「この間も、原子炉そのものの保安を担当する経産省の原子力安全・保安院と、それから安全について政府に助言・勧告する安全委の両方の専門的な知見に基づいて、原子力発電所の方の対応、それからそこから出ている放射能による社会的な影響について対応してきている。残念ながらいま、水であるとか野菜をはじめとして、その影響が広がりを見せているなかで、そうしたことに対しても、しっかりと安全委、さらにしっかりと役割を果たしてほしいと。同時に原子力発電所そのものおよびその周辺の安全確保についても、しっかりとやってほしい。そういったことのなかで、さらに安全委と保安院との連携を強化して欲しいと。そういう趣旨での発言はあった」

 【原子力安全・保安院、原子力安全委員会の対応】

――この間の保安院と安全委の連携、役割分担は十分だったと思うか。

 「それについては、全力をあげて取り組んできているつもりだが、これさまざまなご意見があるんだろうと思う。しかしながら、今後特に安全委が様々な周辺への影響について役割、業務が大きくなっている状況を踏まえて、そうしたなかでも保安院との連携をしっかりしてほしいと、こういう趣旨でおっしゃったと認識している」

 【知事選告示】

 ――今日から12都道府県で知事選告示。今回の争点は何か。

 「それは、それぞれのみなさんが考えるだろう。いま私の立場は、もちろん国会議員のひとりとしてまったく無関係ではないが、統一選についてはそれぞれ党の側なり、あるいはそれぞれの地域において行って頂く。官房長官という立場では、災害対応と原子力対応のことに全力を挙げているので、まさにそれぞれの担当のみなさんのところで考えていると思う」

 ――民主党は首都東京で知事選の候補者を擁立できなかったが。

 「党の方におたずねいただきたい」

 【放射線モニタリング】

 ――現状の排水モニタリングで、異常はほかに出たか。今後のモニタリングの進め方は。

 「少なくとも、この会見の始まる前の段階で私のところに新たな報告はない。それぞれ調査をしている機関から、事実関係のデータは発表できるタイミングでは、できるだけ早く発表するよう指示しているし、様々な影響を及ぼす可能性を考慮しながら万全のモニタリング態勢をとってほしいという指示をおろしている」

 【SPEEDI】

 ――原子力安全委のSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測)、30キロ圏外でも強い数値で不安が広がる。退避地域拡大はあるか。拡大しないなら、なぜ安全と言えるのか。

 「SPEEDIによる推測も考慮にいれて、さらに様々なモニタリングをあのデータの推測も考慮にいれて、かなり強化するよう指示をしている。あれは予測なので、様々な実測数値に基づいて必要に応じて対応もこの間も進めてきたところ。今後については、もちろんさまざまな数値が下がっていくことが望ましいが、客観的なデータに基づいて必要な対応をするということについては、あらゆる可能性は否定していない」

 【原子力安全委員会の対応】

 ――原子力安全委員会の委員長の記者会見は事故が起きてから初めて。この間、会見が行われなかった理由は。それは政府として妥当と考えるか。

 「直接的にいつ、どう会見を開くかというのは一種独立性の高い委員会でもあるので、原子力安全委員会のご判断ではあるが、この間、特に事故の発生以来、原子力安全委員会には最大限の力を出していただいて、様々な対応についての安全委員会としての知見を、例えば退避について、あるいは原子力発電所そのものに対する対応も、一義的には東京電力であり、二義的には保安院であるが、原子力安全委員会も炉の安全性とかについての専門的な知見をもっているので、第三者機関としてのご助言をいただいてきており、かなりそこにエネルギーを集中的に注いできていただいたことは間違いない」

 「また、そこでいただいたご助言等を踏まえて具体的な対応を進めてきているなかで、その対応については私なり、保安院なり、東京電力なりから全面的な情報公開を進めてきているということが、この間であったかなと思っている。ただ、独立してしっかりと情報公開をし、記者の皆さんの質問にお答えするということは、そうした本来の役割をしっかり果たしていくなかで最大限やっていただくことは望ましいと思っているし、そうした状況になってきたということかなと思っている」

 【東京電力の対応】

 ――東電の社長、会長は事故の陣頭指揮に立っている姿があまり見えない。福島を最初に訪問したのは常務、会見をしているのも副社長。東電の姿勢についてどう考えるか。

 「しっかりと事故がこれ以上悪化しないようにということで、現場の第一原子力発電所の現場の関係者の皆さん、本当に頭の下がる思い。本当に頑張っていただいていると思っている。それを本社からどういった形でバックアップして指示を出しているのかについては、様々なご意見等があろうかと思っている」

 「ただ、政府の立場からはしっかりと東京電力として総力を挙げて事故のこれ以上の悪化を防ぎ、収拾に向けて努力をさせるという、この1点でこの間、対応、指示等してきているので、何か第三者的にそれについてコメントする立場ではないと思っている」

 【国際機関との連携】

 ――国際原子力機関(IAEA)や米原子力規制委員会(NRC)など国際機関の会見を国民が見ることができれば、より冷静に現状を把握できるのでは。

 「それぞれ、特に海外の機関について日本政府からできることは、お願いベースになろうかと思っている。この間、どうしてもタイムラグは生じてしまうが、IAEAや米国など専門的な分析や意見を出していただきうる所に対しては、国民の皆さんに報告しているように様々なデータや状況を報告をし、ご説明をして、そうした知見も政府としてもご意見をいただいたりもしてきている」

 「そうした政府以外のところの専門的な評価はきちっとした同じ客観的なデータに基づいている限りは当然、国民の皆さんも知りたい情報だろうと思っているので、さらに関係機関、特に基本的には米国とIAEAだと思うが、何ができるかは検討してみたい」

 【水道からの放射性物質その2】

 ――先ほど埼玉県川口市が川口市内の上水道から採取した水道水から、乳児の暫定基準値を超える放射性ヨウ素が検出されたと発表。首都圏でこういうことが起きていることで、乳児の摂取を控えるよう指示する考えは。

 「これは基準値があって、それぞれにできるだけ広範かつ規模の大きなモニタリングをしていただきたいと政府として指示している。そうしたなかでは原発から放射性物質が残念ながらこの間出た、場合によっては出ているという状況では、一定の範囲においてこうした数字が出てくることはあり得ることだと思っている。だからこそ、モニタリングをしっかり強化して、数値出たからといって健康に影響が出るわけではないが、国民の皆さんにできるだけしっかりと客観的な情報をお知らせをして、万全の措置を取っていることをご理解いただくために、出たらしっかりと対応するということを各関係機関において、市町村含めて、やってきていただいているところだ」

 「今後もモニタリングをしっかりとすれば様々な数字が出ることはあり得るが、その数字の意味については、できるだけ私も繰り返しこの場でご報告申し上げてきているが、原子力安全委員会であるとか放射線医学総合研究所であるとか、専門的な皆さんにもできるだけ分かりやすく詳細な数値のもつ意味、健康・人体に影響がないことについての説明を、国民の皆さん向けに専門家のレベルでもやっていただくようにという指示は出している」

Tuesday, April 5, 2011

05/04 Govt holding radiation data back / IAEA gets info, but public doesn't

The Yomiuri Shimbun

The Meteorological Agency has been withholding forecasts on dispersal of radioactive substances from the Fukushima No. 1 nuclear power plant despite making the forecasts every day, it was learned Monday.

Meteorological institutions in some European countries such as Germany and Norway have been publishing their own radiation dispersal forecasts on their Web sites based on their own meteorological observations.

Nuclear experts at home and abroad are criticizing the Japanese government for not releasing its own forecasts, raising new questions about the government's handling of information on the nuclear crisis.

The agency is making daily forecasts at the request of the International Atomic Energy Agency. When contamination by radioactive substances across national borders is feared, weather organizations of the member nations cooperate to make forecasts on possible migration of the substances.

The Meteorological Agency has been calculating its forecasts on the migration once or twice every day since March 11, when the great earthquake hit the Tohoku and Kanto regions.

The agency inputs observation data sent from the IAEA--such as the time when radioactive substances are first released, the duration of the release and how high the substances reach--into the agency's supercomputer, adding the agency's observation data, including wind directions and other data. The supercomputer then calculates the direction in which the radioactive substances will go and how much they will spread.

However, the agency has only been reporting the forecasts to the IAEA and not releasing them to the public at home.

The IAEA analyzes the data from Japan by adding observation data from other countries it similarly asked for cooperation, such as China and Russia, and notifies nuclear authorities of countries, including Japan, of the results.

Whether to announce the IAEA analysis is left to each government's judgment. The Japanese government's Nuclear Emergency Response Headquarters has so far not released the IAEA analysis.

"Japan has its own Education, Culture, Sports, Science and Technology Ministry- operated System for Prediction of Environmental Emergency Dose Information (SPEEDI) for dispersal forecasts. The government in its Basic Disaster Management Plan defines forecasts by SPEEDI as official forecasts," a Meteorological Agency official explained.

"We don't know whether the IAEA basic data the agency uses for the forecasts really fit the actual situation. If the government releases two different sets of data, it may cause disorder in the society."

However, the SPEEDI forecast was announced only once, on March 23. The Nuclear Safety Commission has been refusing to announce subsequent forecasts. "We can't do it because the accuracy is still low," Seiji Shiroya, a commission member said.

(Apr. 5, 2011)