Saturday, May 28, 2011

24/05 よみうり寸評

5月24日付 

 〈やぶの中〉でもあるまいに、菅首相おひざ元のいわば仲間の内で「言った」「言わない」の騒ぎは情けない◆原発事故の海水注入をめぐる発言のこと。内閣府原子力安全委の班目まだらめ春樹委員長が「再臨界の危険性がある」と言ったとされた問題発言は結局、「可能性はゼロではない」に訂正された◆当初、「私への侮辱だ」と息巻いた班目氏もこれで納得した。「ゼロではない」なら「危険性がある」と同じではないか。素人ならそうも思えるから、専門家の班目氏も発言の受け取られ方に注意した方がいい◆菅首相はこれによって、海水注入の中断を指示してはいないという。が、東電はこの話を聞いて自主的に一時中断したらしい◆班目氏は注入の必要を「言い続けた」と言うがそれは伝わらなかったということだろう。事故収束はまだ先が見えていない。これからもさまざまな処理が続く◆司令塔内部の藪の中状態はよろしくない。まだらめ委員長も「でたらめ」(亀井国民新党代表)などと言われないようにご注意を。

(2011年5月24日14時33分 読売新聞)

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