東京電力は22日、福島第1原発4号機の使用済み核燃料プールを、コンクリート圧送車を遠隔操作して測定した。その結果、水温が約91度と高止まりしたままで、水位も燃料棒の上部から約2メートル上回った程度と低い状態が続いていた。東電は「注水を、燃料棒の発熱による蒸発量に相当する量にとどめているため」と説明している。
4号機は3月15日に水素爆発があり、海水で冷やす通常の循環冷却装置システムが失われた。その後は、外部からの注水で冷やしている。
今月12日にコンクリート圧送車を使って同プールの水を採取した結果、水温が爆発前日の84度を上回る90度で、水位は燃料上部を約3メートル上回ったが、想定よりも低い状態だったことが判明していた。このため今回は再度、注水の効果を確かめるために温度や水位を調べることにした。
注水量を増やせば、プール内の燃料棒に対する冷却効果は上がるが、放射性物質に汚染された水があふれるというジレンマがあり、安易に増やせないという。
22日は水中カメラで水につかっている燃料棒を直接、撮影して損傷状態などを確認する予定だった。しかしカメラの使用環境は、水温50度が限度とされていたため、撮影を断念した。【江口一、奥山智己】毎日新聞 2011年4月22日 21時22分
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