東日本大震災直後、宮城県石巻市の新北上大橋下の北上川を逆流する津波を、市職員の男性がデジタルカメラの動画撮影機能で撮影していた。
男性は3月11日の地震直後、住民に避難するよう呼び掛けながら、海岸から北上川に沿って約4キロの新北上大橋まで車で走行。児童108人中7割が死亡・行方不明になった市立大川小学校の裏山に避難し、午後3時42分から計約3分撮影した。
黒々とした濁流が道路や家をのむ様子が映り、津波の水位は新北上大橋の橋げたに届く勢い。新北上大橋の東約200メートルにある大川小学校自体は撮影されていないが、子供たちが避難先としていた新北上大橋のたもとにある交差点が冠水している様子が映っている。
一緒に避難を呼び掛けていた同僚は交差点付近で津波にのまれ、亡くなったという。男性は「逃げるのがあと5歩ほど遅かったら自分もたぶんだめだったと思う」と振り返る。【百武信幸】
毎日新聞 2011年4月22日 11時25分(最終更新 4月22日 12時09分)
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