4月13日付
史上最悪の「レベル7」――東電福島第一原発の事故の国際評価尺度がチェルノブイリに並んだ。事故発生直後の「4」が3月18日に「5」、それがきのう「7」に◆こう発表しておいて、原子炉が爆発、作業員28人が死亡したチェルノブイリと福島とでは大違いと政府は火消しに大わらわ◆それは理解するが、〈チェルノブイリと同レベル〉は独り歩きする。深刻度評価を小出しに広げた印象。これがよろしくない。発表が遅すぎた。また後手に回ったといわれても仕方がない。同じこの日に菅首相の記者会見、釈明に追われたのも間が悪い◆「国民の皆さんに必要な情報はしっかり提供している」と首相。「しっかり」を首相はよく言うが、本当に「しっかり」だと思う人は多くはない◆「東電に今後の見通しを示すよう指示した」とも述べたが、人ごとのようにも聞こえる。その見通しなしに「一歩一歩安定化」と言われても素直にはうなずけない◆会見に具体的な話は乏しく、復興へ奮い立たせるような迫力もなかった。
(2011年4月13日13時29分 読売新聞)
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