Tuesday, May 10, 2011

27/04 よみうり寸評

4月27日付 

 悲しみこらえて微笑むよりも 涙かれるまで 泣くほうがいい……。武田鉄矢の〈贈る言葉〉の一節だ。そのとおりと思う◆が、いつも他人と一緒の避難所では思い切り泣くに泣けない。ストレスは募る。仮設住宅建設のスピードアップが何より望まれる◆「お盆のころまでに」と菅首相。「(避難所の)段ボールの仕切りの中でお盆まで生活しろというのか」と質問者の小野寺五典氏(自民)。衆院予算委の震災に関する集中審議。首相は今の建設ペースで見通しを述べた◆が、お盆までの時間の感覚は首相と質問者では大違い。被災地選出の質問者にはまるで人ごとの答弁と聞こえたようだ。で、次にこんな質問をした◆「かつて『天災をストップさせるには、昔なら元号でも変えるところだが、今必要なのは政権交代』と言った人がいる。誰か」。問いの正解は野党時代の菅氏だ◆非常時に首相おろしの声がなぜ起きる。丸投げや人ごとのようで心に訴えかけない答弁。首相は自身のビデオでも見て考えてみるといい。

(2011年4月27日13時47分 読売新聞)

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