Tuesday, May 10, 2011

06/05 よみうり寸評

5月6日付 

 巨人の小笠原道大選手がきのう達成した〈2000安打〉は、プロ野球38人目だが、1736試合での到達は歴代4位のスピードだ◆小笠原より上の3人は川上哲治、長嶋茂雄、張本勲。名球会入りの2000本安打は豪打の証しだが、中でもスピード達成の系譜は輝かしいものと分かる◆2000本安打の歴史は1956年(昭和31年)5月31日、巨人―中日戦で川上が達成して始まった。最初に記録した川上が今なおスピード達成でも1位。さすがは打撃の神様。小笠原はその4位だが、この記録には苦しんだ◆残り11本で迎えた今季、これまでの彼のペースなら10試合もあれば十分と思ったが、達成まで17試合も要したのは予想外◆チームの不振もあってプレッシャーが増したのだろうか。川上―王―小笠原。求道者を思わせる左打ちで強打の一塁手。この系譜は巨人伝統の柱でもあろう◆無論、2000安打は通過点。優勝を目指して大いに数字を伸ばそう。いつもフルスイングのガッツをもっともっと見せてもらおう。

(2011年5月6日13時19分 読売新聞)

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