Tuesday, May 10, 2011

07/05 よみうり寸評

5月7日付 

 緊張を要する作業だったろう。東京電力福島第一原子力発電所の1号機原子炉建屋に今週11人の作業員が入った◆3月12日に水素爆発が起き、放射性物質による高濃度の汚染が確認されている。今後の作業に向けて空気の汚染浄化装置を設置するのが目的だった。作業員たちは全面マスクを着け空気ボンベを背負って放射性物質から身を守りながら交代で作業した◆浄化が順調に進めば、来週には立ち入り作業の範囲を拡大できるという。事故の収束へ向け、大きな一歩だ◆「決死」の作業という報道もあった。実際は綿密に準備して作業したというが、そう形容されるほど作業員の日常は過酷らしい◆食事はカップめんなどの保存食で、睡眠は床に雑魚寝。汗をかいてもシャワーはない。事故で避難生活中の住民のことを考えるとぜいたくは言えない、ということもあるらしい◆事故への批判はあるだろう。だが、今は現場の奮闘を応援したい。事態の長期化に備えて作業員たちの食事、生活環境を早急に改善すべきだ。

(2011年5月7日13時17分 読売新聞)

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