Sunday, May 15, 2011

09/05 枝野官房長官の会見全文〈9日午後〉

2011年5月9日20時53分

 枝野幸男官房長官の9日午後4時過ぎの記者会見の内容は次の通り。

 【浜岡原発の停止要請】

 ――中部電力から返答はきたか。

 いや、まだ私の所には別に何もきていない。

 ――今日中に返答がくる予定は。

 別にそういうことについても何もきていない。

 ――首相と中部電の幹部会合は、今日やっているのか。

 少なくともそういう話は聞いていない。

 ――長官としては、今日中に回答が出ることを期待しているか。

 最終的には国民の安全にも関わることとして、総理から要請しているので、しかるべく結論を出して頂きたいと思っている。早い方が望ましいとは思っているが、それは取締役会としてのいろんな検討準備も必要だと思っている。できるだけ早いことを期待するということで、具体的にいつまでにということを今の段階で求める必要はない。

 ――結論が出た際、記者会見をしてもらいたい。

 たぶん経済産業大臣が何らかのコメントをする。

 ――官房長官が会見してほしいが。

 う~ん、たぶん、基本的には経産大臣からでいいんじゃないかと思う。

 【他の原発への波及】

 ――佐賀県の玄海原発など、現在運転が止まっている原発を再開する際はどう臨むか。

 基本的には緊急安全対策の内容や実施状況を国として確認して、その上で地元の意向も踏まえながら検討することになる。

 ――佐賀県知事は国が緊急安全対策で適切と判断したかの説明を聞きたいと言っているが、国から説明する考えは。

 その知事からの要請は私の方には来ていないので、少なくとも事業者からは、こういう安全対策をして国からこういう評価をもらっているというようなことについて少なくとも、事業者はきちっと説明せざるを得ない。国が直接どういう形で関与するかは経産大臣と相談したい。

 ――浜岡原発の停止要請の理由の説明がないと地元の不安感が高まるが、他の原発立地自治体に説明しないのか。

 自治体に限らず国民の皆さん一般に繰り返し、場合によっては経産大臣から、さらに詳細な報告と説明申し上げなければいけないと思っているが、基本的には大きな巨大地震の来る可能性の圧倒的な高さということが他の原発とは決定的に異なっていることを前提に判断した。このことは関連の自治体はもとより国民にしっかりと説明していかなければいけないと思っている。

 【原子力政策の検証委員会】

 ――原子力政策は今後の検証を待って判断するということだが、その検証委員会の立ち上げはいつか。

 できるだけ早く立ち上げて検証をして頂こうと考えて、その準備は始めている。

 ――首相は5月中旬には立ち上げると言っていたが。

 中旬というのを若干幅を持って頂いた方がいいとは思うが、その中旬を目標に準備を進めている。

 【災害対策基本法の改正論議】

 ――今回の震災で、災害対策基本法105条に基づく布告をなぜしなかったのか。

 災害対策基本法に基づく災害緊急事態を布告した場合の効果は一点で、国会が閉会中、または衆院が解散中であり、かつ、臨時会の召集を決定し、または参院の緊急集会を求めて、その措置を待つ暇がないときは政令を制定することができると。これが唯一の効果だ。今回は国会が開会中だったので布告をしても、何の法的効果がない布告になる。このことを踏まえて布告をしなかった。

 ――緊急事態を布告すれば、物資輸送が円滑にできたのではという指摘があるが。

 少なくともこの法律に基づいても国会開会中は勝手に政令を出すことできない。布告を出そうが出すまいが同じことだ。

 ――今回を教訓に、災害対策基本法を改正する考えは。

 広い意味では今回の災害対応は反省点、問題点がなかったか、しっかりとフォローアップしなければいけないと思っている。その結果について今から予断を持って申し上げるべきではないと思うが、特にこの災害緊急事態のような話の問題よりも、あらかじめどういう準備をしておいて、あらかじめどういうオペレーションを決めておけるのかということの方が重要ではないかと思っている。

 例えば、ガソリンについては、こういった対応の時に、どういったルートで輸送するのかとか、ガソリンスタンド自体、給油所自体が被害を受けて使えないときにどうするのかという、こういった実務的なオペレーションの想定をしっかりしておくことの方が本質的な問題だ。

 ――布告は官邸で検討はしたのか。

 検討して、国会開会中なので布告をしても法的効果が全くないということがすぐに確認された。

 【義援金の配分】

 ――義援金の給付が遅れているが。

 今の点も含めていろんな仕組みや制度が、市町村に役割を担って頂くという制度になっているものが少なからずある。これはそれぞれの被災状況によっては市町村役場自体が被災して、あるいは役場職員自体が被害にあって行方不明や亡くなられたり、なかなか万全の対応が取れない自治体が少なからずある。

 これに対し、国からも直接自治体に応援を出したり、あるいは市長会など、全国の市町村の協力を頂き、総務省がコーディネートして、他の被災を受けていない市町村から応援に行ったり、あるいは県から市町村を応援して、その分を国が県を応援したり、様々な形で応援しているところだ。

 ただ、個々の住民と直接接して、地域事情その他を十分に承知認識されている方と、応援の方では、できる範囲にも違いがあるし、それぞれ自治体ごとに仕事の仕方も違う。いきなり行って、もともとの地元の方と同じように力を発揮してもらうには若干の時間かかるとか、残念ながら様々な事情があって、自治体ごとにスピードに違いがある。当該自治体の住民の皆さんには大変申し訳ない話だが、最大限応援態勢を強化する中で、できるだけ遅れた自治体が出てこないように、さらにフォローアップして参りたい。

 【復興基本法】

 ――復興基本法の見通しは。

 今、党の方で最終的に各党との話の結果をそう遠からず整理して頂けると理解している。

 ――野党の扱いは。

 党の方で野党との関係を相談しているのでその結果を、できれば明日には閣議決定したいという私の方の希望は伝えている。その通りになるかは別として、私からの希望を踏まえた中で岡田幹事長をはじめ対応して頂いている。

 【沖縄振興】

 ――北沢防衛相が沖縄訪問した際、震災に関係なく沖縄振興したいと言ったということだが。

 私も全く同じ思いだ。もちろん震災の影響で、様々な財政的にはいろいろな所に影響を及ぼさざるを得ない部分が少なからずあると思っているが、一方で沖縄の振興については様々な歴史的な経緯も含めて、ここについてはしっかりと万全の措置を取っていきたい。特に、沖縄担当大臣としては思っている。

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