第一原発の事故後、各地で放射性ヨウ素やセシウムなど放射性物質が検出されているが、3月28日には原発敷地内の土壌からプルトニウムも検出された。
プルトニウムはヨウ素やセシウムに比べ原子が重く拡散しにくいとされるが、これが原子炉外から検出されたことは、原子炉内が高温になって燃料が損傷し、その中の物質が水などと一緒に外に漏れ出したことを示し、重大な事故であると想定される。
今回検出されたのはプルトニウム238、239、240。このうち239は核分裂することによって巨大なエネルギーを生みだし、核兵器の原料にもなる。半減期もヨウ素131(8日)やセシウム137(30年)に比べ長く、プルトニウム239は2万4000年。
プルトニウムの出す放射線の透過力は弱く、外部被曝
ひばく
の心配は少ないが、吸い込むと肺や肝臓、骨にとどまり、がんを引き起こす危険がある。その毒性はヨウ素やセシウムより強い。
ただ、今回、敷地内から見つかったプルトニウムの量は、冷戦期に行われた核実験のために土壌中に蓄積されたプルトニウムとほぼ同程度で、健康への影響は心配ないという。
(2011年4月1日 読売新聞)
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