Sunday, April 10, 2011

10/04 復興「政・官」協力が課題、構想会議11日発足


 菅首相は東日本大震災から1か月にあたる11日、「復興構想会議」(議長・五百旗頭いおきべ真防衛大学校長)を発足させ、復興に向けた作業に着手する。

 今回の震災はかつてないほど広範囲に甚大な被害を及ぼし、原子力発電所の事故による放射能汚染を引き起こした。復興までの道のりは遠く、難題が山積している。

 政府は復興構想会議でまとめた提言をもとに、首相を本部長とする全閣僚参加の「復興本部」(仮称)で具体的な復興計画を策定、関係省庁間の調整を行い、復興対策の実施にあたる。

 政府内には当初、震災復興を進めるにあたって、1923年の関東大震災後に首相直属機関として設置された「帝都復興院」を念頭に、複数省庁にまたがる復興事業を計画・実施する大規模な「復興庁」の創設を求める声もあった。しかし、国土交通省など既存組織との「二重行政になりかねない」との指摘が強いことから、「復興庁」という組織を設置するとしても、復興本部の事務局とする方向だ。

 最大の課題は、官僚組織を含めた国家の総力を結集できるかどうかだ。

 菅政権は震災直後、原発事故への対処に力をそがれ、被災者支援で出遅れた。実際に被災地に水や食料、燃料を届けたのは民間企業などの力によるところが大きかった。

 この間、官僚からは「重複する会議に時間を費やし、結論を出せない」「政治主導と言いながら、閣僚間の調整ができない」といった政権批判の声が数多く聞かれた。民主党内からさえ「官僚を排除する民主党政権の『政治主導』の悪い面が出た」(政調幹部)という指摘が出た。

(2011年4月10日12時02分 読売新聞)

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