福島第一原子力発電所では、タービン建屋の地下や、トレンチと呼ばれる作業用トンネルに高濃度の放射性物質で汚染された水がたまり、問題となっている。
原子炉を冷却するために原子炉圧力容器へ注入した海水が容器から漏れ出したことなどが原因と見られているが、汚染水を処理できなければ、冷却のために必要な外部電源ケーブルの敷設が難しい。
そこで、汚染水を排水するため、東京電力はまず建屋地下の汚染水をポンプでくみ上げ、復水器に移そうとした。復水器とはタービンを回した蒸気を冷やして出来た水をためる場所だ。しかし、復水器はほぼ満杯だったので、復水器内に入っていた水を原子炉冷却用の水を一時的に蓄えておく復水貯蔵タンクに移し替える計画だ。復水貯蔵タンクの水は、別のタンクに移し替え、それぞれの空き量を確保するが、汚染水は大量で、注水も継続しているため、いつ完全に除去できるか見通しは立っていない。
(2011年4月1日 読売新聞)
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