東京電力は29日、福島第一原子力発電所1号機で、圧力容器の燃料棒が水につかるまで、容器の内外を水で満たす「水棺」に向け、試験的に毎時10トンに増やしていた注水量を、元の毎時6トンに戻した。
当初は毎時14トンまで増やす計画だったが、冷却が早く進み水素爆発が起きやすくなる恐れが出てきたためで、東電は爆発を防ぐ窒素注入を続けながら慎重に注水を進める。
1号機は圧力容器を囲む格納容器に水をため、26日には深さが推定6メートルに達した。水棺までには、さらに13メートル水位を上げる必要があるため、東電は27日午前10時、注水量を毎時6トンから10トンに増やした。
その結果、圧力容器周囲の温度は26日から15~20度低下。格納容器の内部圧力も、1・5気圧から1・1気圧へ下がり、大気圧(約1気圧)に近づいた。内部の水蒸気が急速に冷えて水になったためとみられる。これ以上圧力が下がると外から酸素が流れ込んで爆発する可能性があるため、東電は午前10時14分、注水量を同6トンに戻した。
(2011年4月29日22時53分 読売新聞)
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