古川知事が玄海原発(玄海町)2、3号機の再稼働を容認する意向を明らかにしてから、初めて開かれた1日の県議会原子力安全対策等特別委員会。質問に立った議員は、同原発の安全性を認めた理由に関し、知事に明確な答弁を迫った。その様子を傍聴席に詰めかけた県民らは注視した。
◆知事
特別委は午前10時に始まり、古川知事は、各会派を代表した3人から質問を受けた。休憩を挟みながら午後4時45分頃まで続いた。
終了後、報道陣の取材に応じた古川知事は、再稼働問題の議論に関して「議会との間でかなり重ねており、深まってきている」との認識を明らかにした。
知事は再稼働了承の判断条件として議会の動向を挙げている。「どのような状態になることが条件か」と報道陣に問われ、「こうだという明確な形はない。総合的にとしか言えない」と述べるにとどめた。
8日に多久市で開く県主催の玄海原発の安全対策に関する県民説明会については、「登壇するかどうかは決めていないが、現地には赴きたい」と答えた。
◆議員の感想
特別委の終了後、2人目で質問に立った徳光清孝議員(県民ネットワーク)は、「知事は『安全性はクリアできた』と述べたが、安全対策は不十分」と指摘。特別委で菅首相に来県を要請したことが明らかになったが、「海江田経産相と同じことを首相が言うだけ。安全性に責任を負うことと、安全性の確立は別問題だ」と語気を強めた。
特別委で最後の質問者となった留守茂幸議員(自民)は「原発に関する県独自の防災対策で具体的な案が示され、安全性の問題はクリアできた」と振り返った。菅首相への来県要請については、「国のトップが知事と面会し、しっかりと説明責任を果たしてもらうことが必要」と強調した。
特別委にオブザーバーという立場で出席した石井秀夫議長は「質問と答えが、かみ合わない部分もあったが、議論が深まってきている印象は受けた」と評した。
その上で、「考えや思いの違いがあるので、議論が尽くされているかについては、各議員で受け止めた方が異なる。あとは知事が総合的に判断することになる」との見方を示した。
(2011年7月2日 読売新聞)
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