Saturday, May 21, 2011

20/05 福井知事、原発の再稼働認めず「県民の安全が優先」

2011年5月20日15時2分

 福井県の西川一誠知事は20日、朝日新聞の単独インタビューに応じ、定期検査などで停止中の県内の原子力発電所の再稼働について「夏場の電力不足も想定されるが、県民の安全性の確保を優先する」と述べ、関西などにおける電力需給を考慮しても現時点で再稼働は認めない姿勢を示した。

 菅直人首相はすでに安全が確認されているとして各地の原発の再稼働を認める方針を示しているが、西川知事は「国が示した緊急安全対策は津波対策に偏っている。地震の揺れの影響が検証されていない」とし、県の要請を反映した暫定的な安全基準を国が設けることを再稼働の条件に挙げた。

 福井県内は、関西電力の11基と日本原子力発電の2基という国内最多の商業用原発が立地し、関西の消費電力の55%を供給する。6基が検査のため停止し、7月にはさらに2基が定期検査に入る見通しで、福井県の対応が注目されている。

 西川知事はさらにインタビューで、福島第一原発の1~6号機がいずれも運転開始から30年を超えていたと指摘し、「原発を動かしたいなら、国は高経年化(老朽化)原発の安全基準を示すべきだ」と述べた。福井県内では8基の原発が30年以上経過している。(足立耕作、笹川翔平)

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