Saturday, May 21, 2011

20/05 引き波、海に戻らず内陸部横断…被害拡大か


 東日本大震災で石巻平野を襲った津波の「引き波」は、真っすぐ海へ戻らずに内陸部を東向きに横切るように流れたことが、海津うみつ正倫まさとも・奈良大学教授(地形学)らの分析でわかった。

 石巻市や東松島市では市街地のほぼ半分が浸水したが、引き波の特異な動きが建物などへの被害を大きくした可能性もある。22日に千葉市で始まる日本地球惑星科学連合大会で発表する。

 海津教授は、石巻平野と仙台平野の航空写真や現地調査をもとに、上陸した津波が引く際の流れの向きを、稲のワラが田んぼの隅に寄せ集められている状況などから分析した。

 その結果、石巻平野の引き波は海に直接向かわず、陸域を東向きに流れていた。一方、仙台平野では、北部や中部で地形などによる乱れが一部に見られたが、引き波はほとんどの場所で海に向かっていた。

(2011年5月20日17時22分 読売新聞)

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