2011年3月21日12時21分
中部電力は20日、定期検査中の浜岡原子力発電所3号機(静岡県御前崎市、110万キロワット)の再開を当面見送る方針を明らかにした。3月下旬に原子炉を再起動し、4月下旬には営業運転を始める予定だった。東日本大震災をふまえ、再開に万全を期す。
ただ、中部電は電力需要がピークとなる夏場には3号機が必要とみており、地元に配慮しつつ再開を模索する。
3号機は昨年11月に定期検査に入った。予定された点検169項目のうち、13日現在で137項目がすでに終了。燃料棒の交換も済んでおり、近く原子炉を再起動させ、調整運転を始める予定だった。
だが、東日本大震災で福島第一原発(福島県大熊町、双葉町)が被災。浜岡原発の地元でも原発の安全性を危惧する声が出ている。このため、浜岡3号機についても機器や危機対応の手順を再確認するという。
中部電は現在、電力不足に陥った東京電力に電気を送っている。3号機なしで夏場に臨めば、火力発電所の稼働率を上げる必要があり、液化天然ガスや石油などの燃料を十分確保できるかが課題となる。
浜岡原発の1、2号機は廃炉を決め、手続き中。4、5号機は稼働を続けている。2015年着工、18~23年運転開始を予定していた6号機は、計画を見直す方針だ。
北陸電力もすでに定期検査中の志賀原発2号機(石川県志賀町)の再開は、地震や津波の安全対策を進め、地元の理解を得た後にする方針を公表している。(伊沢友之)
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