東京電力は9日、福島第一原子力発電所3号機について、水素爆発を防ぐ窒素注入に使う配管が利用可能であることを確認したと発表した。
3号機原子炉の窒素注入の接続口(左端、東京電力提供)
8日午後に約10分間、東電社員が原子炉建屋内に入り、目視で確認した。
目視調査は、放射線を防ぐ鉛の遮蔽マットを付けた高所作業台を使って行われた。原子炉格納容器につながる配管周辺の線量は毎時50ミリ・シーベルトと高いため、東電は作業計画を見直す方針だったが、調査結果を受け、「短時間の作業で配管工事ができる見通しが立った」として近く工事を実施する方針を決めた。
東電は、事故収束に向けた「工程表」の第1ステップの期限17日までに窒素注入ができるとの見方を強めている。窒素注入で、水素爆発の可能性をほぼゼロまで抑えることは、「緊急時避難準備区域」を縮小する目安の一つ。
(2011年7月9日14時04分 読売新聞)
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