福島県南相馬市の農家が東京都内の食肉処理場に出荷した肉用牛11頭のうち1頭の肉から、食品衛生法の暫定規制値を超える放射性セシウムが検出され、福島県は8日夜、南相馬市に肉用牛の出荷自粛を要請した。
厚生労働省によると、肉類から規制値を超える放射性物質が検出されたのは初めて。11頭の肉はいずれも流通していないが、この農家からは5月30日~6月30日に6頭の牛が出荷されており、厚労省で追跡調査を始めた。
同セシウムが検出されたのは、福島第一原発から20~30キロ圏内の緊急時避難準備区域内の農家が飼育し、東京・芝浦の食肉処理場に8日に搬入された牛。厚労省の依頼で東京都が解体された枝肉を検査したところ、規制値(1キロ当たり500ベクレル)の4倍以上に当たる2300ベクレルを検出。都は残る10頭も検査している。
計画的避難区域と緊急時避難準備区域で飼育されていた牛は、福島県が全頭、体表面をサーベイメーターで検査するなどして安全性を確認し、出荷することになっているが、今回の牛はその検査をくぐり抜けたとみられる。
厚労省は8日夜、福島県と同県に隣接する6県に牛肉の放射性物質検査を強化するよう緊急で通知した。同省は「食べてもすぐ健康に影響はない」としている。
(2011年7月9日03時04分 読売新聞)
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