Friday, July 1, 2011

01/07 よみうり寸評 - 電力各社の株主総会では経営批判や脱原発を求める声が例年以上に活発だった


7月1日付

〈……かつてない事態の発生だ。かくてこの国の『戦後』をずっと支えていた“何か”が音をたてて崩れ落ちた〉――復興構想会議がまとめた「復興への提言―悲惨のなかの希望―」前文の一節◆政府と東京電力はこのことを常に胸に刻んでおいてもらいたい。東京電力・福島第一原発の原子炉建屋の無残な姿は“何か”が崩れ落ちた象徴にも見える◆電力各社の株主総会では経営批判や脱原発を求める声が例年以上に活発だった。株主による脱原発提案はいずれも否決されたが、福島県の自治体の中には提案に賛成の動きも出た◆無論、ただちに脱原発とはいくまいが、銀行など大株主の委任状を盾にしたニベもない否決では提案した株主ならずとも不信が募る◆“何か”が音をたてて崩れ落ちたことを十分認識していないようにも見える。広く国民に丁寧な説明が必要でそれは政府も同じこと◆菅首相は、浜岡原発の停止要請には前面に出て見せたが、玄海など他の原発の再稼働は海江田経産相まかせで、無責任に見える。
(2011年7月1日13時44分  読売新聞)

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