東電に原発事故見通し提示を指示
- 2011/4/12 20:19
菅直人首相は12日に首相官邸で記者会見し、東日本大震災からの復旧・復興について「野党にも青写真を作る段階から参加してほしい」と協力を呼び掛けた。野党などから出ている退陣要求には拒否を表明した。東京電力福島第1原子力発電所の事故に関しては、事態収拾に向けた今後の見通しを示すよう東電に指示したと明らかにした。
首相は、原発事故の影響で多くの人が避難生活を強いられていることや農水産物の出荷制限による被害について「政府を代表して深くおわびを申し上げる」と陳謝した。
復興を進めるための「復興本部」を設置し、「その在り方を含め今月中に具体的な姿を提案したい」とも表明した。1995年の阪神大震災を受けて、村山内閣が首相を本部長とし全閣僚が参加する阪神・淡路復興対策本部を総理府に置いて省庁間や国と被災自治体との調整を進めたことが念頭にあるとみられる。
被災地に配慮して花見など娯楽を控える「自粛ムード」にも言及し、「過度に陥ることなくできるだけ普段通り生活をしていこう」と強調。被災地の農産物などを積極的に消費することも支援につながると呼び掛けた。
首相記者会見のポイント |
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福島第1原発の事故の評価を「レベル7」に引き上げたことについては「今日の状況だけをとらえれば従来よりも一歩一歩前進をしている。放射性物質の放出も少なくなってきている」と説明。「レベル5」としていた評価の見直しに時間がかかったことについては「遅れたとか軽く見たということはまったくない」と釈明した。
原発事故の損害賠償を巡っては「一義的には東電の責任だが、適切な補償が行われるよう政府が責任を持たなければならない」と強調した。今後の原発政策に関しては「原発の安全性を求めるとともに、クリーンエネルギーに積極的に取り組んでいく。両方が必要だ」と表明。稼働中の全国の原発については「今の段階で停止させなければいけないとは考えていない」と述べた。
統一地方選で民主党が惨敗したことについては「真摯に受け止めたい。後半戦が終わった段階で党がしっかりと検証するので、それを待ちたい」と述べるにとどめた。野党が辞任を要求していることに関しては「震災発生後、即座に自衛隊に出動をお願いし、多くの方を救済いただいた。原発事故もしっかりとした体制を組んで全力を挙げて取り組んできている」と述べ、退陣を否定した。
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