搾乳をする福田さん(11日、会津美里町で)
東京電力福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故で、出荷できない状態になっていた会津地方の加工前牛乳の出荷が11日朝、始まった。酪農家は「ようやく消費者のもとに届けられる」とほっとした表情を見せた。
県産の加工前牛乳は、3月21日に県内全域で出荷制限され、このうち喜多方市など計7市町だけが今月8日に解除された。
会津美里町荻窪の福田正幸さん(42)方の牛舎では、この日午前7時から約50頭の乳牛の搾乳を開始し、10日夕方に搾乳した分と合わせ約1・5トンを出荷した。これまでは毎日1トン近くを廃棄。廃棄する量を減らすため、餌を半分以下に減らしていたという。
福田さんは「会津地方の牛乳は大丈夫。まだ出荷制限を受けている農家の分まで頑張りたい」と話していた。
県酪農業協同組合(本宮市)の角田義勝常務理事(64)は「ようやく明かりが見えてきた」と安堵(あんど)の表情を浮かべた一方で、「会津地方だけでなく、1日も早く県内全域での解除をしてもらいたい」と訴えた。
(2011年4月12日 読売新聞)
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