Wednesday, March 30, 2011

30/03 高速道、福島原発周辺除き復旧 東北道の通行量増える

2011年3月30日22時21分



復旧した主な交通網

 30日午後2時、宮城県の三陸道と仙台東部道路の通行止めが解除された。東北と関東の高速道路は、福島第一原発周辺の常磐道の一部区間を除き、すべて復旧した。

 大動脈の東北道は震災後に通行規制されたが、解除とともに通行量が回復。一般車の規制が全線で解除されて最初の週末となった26日は福島、栃木両県境で1日の交通量が4万台を超え、震災前の1.7倍を記録。仙台市周辺でも3万3千台を超え、やはり震災前を上回った。

 国土交通省の担当者は「被災地への物資輸送に、被災地にお見舞いに行く人の流れが加わった。まだ復旧していない東北新幹線の影響もある」と分析する。

 空路も、津波で大きく損傷した仙台空港を除き、すべての空港で定期便が再開している。日本航空や全日空は羽田や大阪と東北各地を結ぶ臨時便を運航。仙台空港の発着便や新幹線の分を補っている。

 仙台空港は年間300万人の利用実績がある。今は主に米軍が物資輸送の拠点にしているが、民間機の運航再開の見通しは立っていない。管制塔や航空灯火、ターミナルビルの電源設備が使えないうえ、空港と外部を隔てるフェンスが流されており、安全運航の基準を満たすには大幅な復旧工事が必要なためだ。

 新幹線や在来線の代わりになっているのが高速バスや路線バスだ。東北の都市間や首都圏とを結び、運行台数も大幅に増やした。震災前に比べ輸送力は2倍になった。

 仙台―東京は震災前、東北新幹線で1時間半で移動できた。1日に約30便のバスが新宿など首都圏とを5時間半前後で行き来している。1日当たり7万5千人を運ぶ新幹線の輸送力には及ばないが、乗客数の実績は震災前の3倍を超えた。盛岡―首都圏も乗客数は震災前の4倍超だ。

 仙台―山形を1時間で結ぶ高速バスも1日74往復半。山形空港から東京や大阪に向かう被災者らが利用している。

 一方、鉄道は復旧が難航している。東北、秋田、山形新幹線のうち、すべて復旧しているのは秋田新幹線の秋田―盛岡だけ。営業距離990キロでみた復旧率は58%だ。東北新幹線は不通になっている那須塩原―盛岡が4月上旬から徐々に運転を再開し、全線再開は4月下旬の見通しだ。

 在来線も約1千キロの営業区間のうち運行再開は532キロ。とりわけ、復旧の遅れが目立つのが常磐線だ。福島第一原発の避難指示地域を通り、津波で駅舎が流されるなど甚大な被害が出た。268キロ区間のうち再開は4分の1の64キロのみ。国交省幹部は「復旧ではなく新線をつくるつもりで臨む」としている。

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