Wednesday, July 6, 2011

06/07 よみうり寸評

7月6日付 

 「被災者には人一倍寄り添っているつもりだった」と言うが、それであんな放言が出るものだろうか◆「知恵を出さないやつは助けない」とは何という寄り添い方か。被災者の代表でもある知事に向かって「ちゃんとやれ」は傲慢無礼。そんな人物に寄り添われたい被災者がいるだろうか◆そのことに気づいたら、復興担当大臣はやっていられない。「九州の人間ですけん」「B型だから」と言うが、それは荒い言葉や短絡思考の弁解にはならない。放言というよりは暴言、上から目線の人物は辞任するしかなかった◆その松本龍氏の辞任を菅首相は慰留した。首相も枝野官房長官も、辞任申し出が寝耳に水だったという。復興相の問題言動の受け止め方が甘すぎる◆「首相は一分でも一秒でも早く辞めて」と渡部恒三民主党最高顧問、「本当に情けない内閣だ。党として支える価値があるのか」と安住国対委員長◆党内にしてこの激しい批判。もはや政権は崩壊同然の状態だ。前復興相に学ぶべきは〈辞任〉の一点だろう。
(2011年7月6日13時39分  読売新聞)

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