「被災者の気持ちが分かっていなかったのか」「県民として恥ずかしい」――。
福岡県選出の松本龍衆院議員が「放言」をきっかけに復興相を辞任した5日、県内の有権者らからは厳しい批判や落胆の声が相次いだ。
「担当大臣にふさわしくなかった」と指摘するのは糸島市でギャラリーを営む長岡秀世さん(61)。「東北の人たちの悲しみをくみ上げる気持ちがあれば、ああはならなかったはず。国がやってあげるという気持ちがうかがえるが、(考え方が)根本的にずれている」と批判した。
「県民として恥ずかしい」と訴える有権者も。太宰府市吉松の自営業福澤愛子さん(60)は「岩手、宮城県知事を格下に見たような、ちょっとひどい物言いだった。人の上に立つ方は、誰に対しても、言い方を考えるべき。同じ福岡県民として恥ずかしい」
福津市津屋崎の柴田富美子さん(77)は「大臣の発言が福岡の声だと思われたのなら、被災地の方々には本当に申し訳ない」とも。「本当に最近の政治には不信感ばかり。民主党にはしっかりした人材はいないのかしら」とため息をついた。
手腕に期待していた人からは、落胆の声が上がった。福岡市南区の会社員松下雄三さん(25)は「一連の発言を報じるニュースを見た時、そこまで言うならどれほどの手腕を発揮できるのかと注目していたが、失言で辞任とは残念。県出身の大臣として、被災地を支えてほしかった」と残念そうに話した。
2009年の衆院選で松本氏に投票したという福岡市博多区のタクシー運転手中島純孝さん(62)は「被災地での態度にはがっかり」としながらも、「民主党が世の中を変えてくれるという期待で投票し、地元から大臣が誕生した時はうれしかった。またチャンスはあるだろうから、頑張ってほしい」と話した。
福岡市の高島宗一郎市長はこの日の定例記者会見で、「日本を救うために頑張ることを市民も期待していた。発言を元に辞任し、非常に残念」と述べた。
(2011年7月6日10時26分 読売新聞)
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