Wednesday, July 6, 2011

06/07 復興相交代に被災地「現状変わると思えない」



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平野氏の復興相起用を伝えるニュースに見入る被災者(5日午後5時55分、宮城県気仙沼市で)=稲垣政則撮影
「復興の歩みが止まってしまうのでは」「政治家は自分のことばかり」――。
東日本大震災を巡る発言で復興相を辞任した松本龍氏(60)の後任に5日、復興担当の内閣府副大臣だった平野達男氏(57)が就任した。6月の内閣不信任決議案提出を巡る混乱に始まり、ようやく決まった復興相もすぐに交代するというドタバタ劇に、被災地では失望と怒りの声が相次いだ。
◆平野氏が昇格◆
「一日も早く復興への実感が得られるよう(被災地の)皆さんと力を合わせていきたい」。5日午後9時45分、東京・霞が関で記者会見に臨んだ平野復興相は、落ち着いた口調で決意を述べた。
岩手県選出の参院議員である平野氏は震災直後に岩手入りしたといい、「体が震えるような感じは鮮明に残っている。私自身、復旧復興に特別の思いで臨んできた」と強調。復興計画の策定については「各市町村の意気込みを大事にしたい」と抱負を述べた。
会見では額や口元に汗を浮かべ、記者らに「暑いな」と笑いかける余裕も。よどみなく質問に答えた会見の中で、唯一、言葉に詰まったのは同じく岩手選出で地元に絶大な影響力を持つ小沢一郎民主党元代表に(大臣就任を)相談したかどうかを問われた時だ。「相談していない」と答えた後、「電話だけは秘書官を通じてしました」と汗をぬぐった。
◆被災者◆
松本氏が先月5日、防災相として俳優の菅原文太さんと訪れた宮城県丸森町。福島県南相馬市から避難しており、松本氏と言葉を交わした主婦佐藤英子さん(37)は「震災に関わる大臣がこんなにすぐ代わるなんて。復興の歩みが止まる気がして心配」と、わずか9日での大臣交代が信じられない様子。福島県浪江町から福島市に避難中の田中直美さん(32)は「政治家は自分のことばかり考えている。新しい人になっても政治には期待できない」と不信感を口にした。
新大臣の選挙区の岩手県。大槌町の避難所で暮らす飲食店経営阿部たかしさん(63)は「岩手は広い。県出身といっても海岸沿いではないし……」と話し、度重なる閣僚の交代劇に「現状を変えてくれるとは思えない。行き詰まればまた辞めるのでは」とあきれた表情で話した。
(2011年7月6日02時53分  読売新聞)

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