2011年4月13日22時8分
東京電力の清水正孝社長会見の主なやりとりは、以下の通り。
――被害者への賠償について決まっていることは。
「国と協議しながら誠意を持って対応する。避難が長期に及んでいるので、一日も早く仮払いをしたいとは思っている。具体的な金額はこれから決める」
――福島第一原発1号機で12日に実施したベント(排気)の対応に社長も携わったのか。
「当然、原子力緊急時対策本部長として逐一かかわった」
――政府のベントの命令から時間がかかったが、社長の判断が遅れたのか。
「外部電源が失われ、困難な状況で作業を強いられた。着手にやや時間がかかったのは事実だ。作業が大変厳しい条件下だった」
――海水はもっと早く注入できなかったのか。
「収束に向けてベストを尽くしてきた。廃炉を恐れるうんぬんより、その時の状況に基づき適切な判断をしてきた」
――廃炉を進めるのか。
「福島第一原発1~4号機は廃炉にせざるを得ないという認識だ」
――自身の進退は。
「私自身の最大の責務は現状の事態収束に最大限取り組むこと。経営責任について現時点でコメントする状況にない」
――「収束」とは何を?
「いろんなステップがある。当面の緊急の課題は原子炉、燃料貯蔵プールの安定的冷却、大量の廃水をしっかり処理することだ。放射線を封じ込める問題は時間がかかると思っている」
――いつ具体的な工程表が出てくるのか。
「一日も早く示したい。いま練っている」
――近く大地震が起こる可能性も指摘されていたのに「安全だ」と言ってきたことへの見解は。
「地震に対しては制御棒が正常に働き、止まった。問題は津波だ。指針に基づき対応してきたが、事故が起きた。基準のあり方は見直されてしかるべきだ」
――津波対策が十分でなかったのは、東電の経営判断によるものでは。
「そういう面もあろうかと思う」
――放射性物質を海や空気中に漏らしたことが国際的にも批判されている。
「特に漁業関係者には大変な迷惑をかけた。緊急対応だったということで説明が行き届かないことがあった。心からおわびしたい」
――東電を国有化すべきだとか、原発運営を電力会社から切り離すべきだという声もあるが。
「私たちは民間でありたいと考えているが、体制のあり方について言及できる状況ではない」
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