東京電力福島第1原発の事故後、14基の原発が立地する福井県南部(嶺南地方)を訪れる観光客が減少している。日本海を望む風光明媚(めいび)な自然に豊かな海の幸、歴史ある寺院など観光資源に恵まれているが、観光自粛ムードに原発立地地域を敬遠する傾向が加わり、宿泊キャンセルが続出、新規予約も入らない状況が続いている。
国の名勝、三方五湖を観光エリアとする若狭町の若狭三方五湖観光協会によると、3月11日から約1週間で、同町の民宿やホテル、観光施設で700人以上が宿泊や会食をキャンセル。震災直後は津波への不安から沿岸の宿を敬遠する声が多かったが、今は「原発のあるところに、わざわざ行きたくない」など、理由のほとんどに原発立地が挙がっているという。新規予約も入っておらず、同協会は「これでは民宿の経営が成り立たない」と頭を抱える。
一方、今年初めて関西方面の小中学校の体験学習を受け入れる予定だった高浜町では、予定していた2校のうち私立小学校1校(約100人)が原発立地などを理由に予定を変更。保護者から「子供たちが不安がらないか」との声が上がったためという。
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