東京電力福島第一原子力発電所の事故で、放射性物質の拡散予測を連日行っているにもかかわらず、政府が公開していなかった問題で、枝野官房長官は4日、気象庁に公開を指示した。
ドイツなど欧州諸国の気象機関は、各国の気象機関が観測した風向などのデータに基づき、独自に拡散を予報し、サイトで公開している。噴火時の火山灰や、黄砂の飛散予測と基本的には同じ仕組みだ。
気象庁は、情報発信は原子力災害対策本部に一元化されているため、独自には公表できないとしていたが、枝野長官は記者会見で「少なくとも隠す必要のない情報。誤解を生まないよう十分説明し、公表すべきだった」と述べた。
日本には原子力事故時に放射性物質の飛散予測を行う『SPEEDI(スピーディ)』というシステムがあるが、政府は、日々予測を速報するこの情報も公開していないため、原子力関係者らが批判している。
(2011年4月4日22時48分 読売新聞)
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