Monday, April 4, 2011

01/04 震災発生から3週間 菅首相の記者会見全文〈4月1日〉

2011年4月1日23時42分

 菅直人首相の1日の記者会見の全文は次の通り。

 【東日本大震災】

 「今日で震災発生からちょうど3週間が経過した。さきほどの持ち回り閣議で、今回の震災について『東日本大震災』と呼ぶことを決定した。あらためて犠牲になられた皆様、ご家族に心からお悔やみを申し上げ、被災された皆さんにお見舞いを申し上げたい。また、支援に当たっておられる自治体関係者、自衛隊、消防、警察など本当に身を賭して活動されていることに、心から敬意を表し、またそうした公務員を持っていることを、私は総理として誇りに思っているところだ。さらには世界から多くの支援の申し出を受け、ご支援をいただいていることもこの場を借りて改めてお礼を申し上げたい」

 【補正予算】

 「きょうは4月1日、新年度がスタートした。今年度予算はすでに一部の関連法案とともに成立している。しかし、この予算提案後に起きた東日本大震災を受けて、まず最優先すべきは、この震災に対して被災者の支援、さらには復旧・復興に向けての政策を最優先しなければならない。そこで成立した予算ではあるが、一部を執行停止し、そうした大震災の被災者にあてるための補正予算の準備に入りたい。補正予算は復旧・復興の段階において何段階かで必要になると考えており、まず第1弾としてはがれきの処理、そして仮設住宅、さらには雇用の確保、そして産業復旧の準備、こうしたことを第1弾として準備してまいりたい。今月中には第一次の補正の中身を固めて、国会に提出をしていきたいと考えている」

 【復興ビジョン】

 「いよいよ復興に向けての準備に入らなければならない。復興は従来に戻すという復旧を超えて、すばらしい東北を、すばらしい日本をつくっていく、そういう大きな夢を持った復興計画を進めてまいりたい。この間、被災を受けられた自治体の市町村長の皆さんと電話などでいろいろとご意見をうかがった。そうしたご意見も踏まえて、たとえば、これからは山を削って高台に住むところを置き、そして海岸沿いに漁港までは通勤する。さらには地域で植物、バイオマスを使った暖房、地域暖房を完備したエコタウンをつくる。そこで福祉都市としての性格も持たせる。そうした世界でひとつのモデルになるような、新たな街づくりをぜひ目指してまいりたい。さらに復興の中でも、雇用の問題が重要だ。この地域はいろいろな部品の工場など製造業もあるが、同時に農林、漁業、特に漁業のさかんな地域だ。なんとしてもこの1次産業を再生させていく。このことが重要だと考えている。こうした復興に向けて、その青写真を描くために、有識者や地元の関係者からなる復興構想会議を震災1カ月目となる今月の11日までに立ち上げたい。それとともに、この復興構想会議から出されるいろいろな提案や計画を実行に移すための、政府としての体制作りに入り、今月中にはその体制も固めてまいりたい。この復旧・復興に関しては野党の皆さんも積極的に協力を申し出ていただいているので、与野党を超えて協力をして推し進める、そういう体制をつくっていくことを考えており、また、そうなることを私としては切望している」

 【福島第一原発】

 「次に福島原発について。この原子力事故に対しては、三つの原則に立って、これまでも取り組み、これからも取り組んでいく。その第1は、何よりも住民、国民の健康、そして安全を最優先して、ことにあたると。第2には、そこまでやらなくてもよかっただろうといわれるぐらいに、しっかりとリスクマネジメントをして対応していくということ。そして第3には、あらゆる起こりうることについて、きちんとそのシナリオを予想し、それらに対してどういう状況が起きてもきちんと対処できるような体制をつくっていくということだ」

 「この三つの原則に立って、現在、対応を進めている。この福島原発を安定状態に戻すため、現在、二つの力を結集して対応を進めている。一つはいうまでもなく、政府、そして事業者である東京電力や関連企業、さらには原子力委員会など専門家の皆さんが総力を挙げ協力をして、この問題に取り組んでいる」

 「もう一つは国際的な協力だ。特にアメリカの関係者はすでに復興対策に本格的に加わっていただき、共同作業に入っていただいている。オバマ大統領も先日の電話会談であらためて、全面的な協力を約束いただいた。また、昨日来日されたサルコジ大統領は、原発先進国として、フランスの関係者による協力に加えて、G8、G20の議長としての協力を申し出ていただいた。さらに国際原子力機関(IAEA)もすでに専門家を派遣をいただき、いろいろと対応をいただいている。この福島原発については、長期戦も覚悟して、必ず勝ち抜いていくと、その覚悟を持って臨んでいく。国民の皆様にもいろいろとご不便をおかけするが、必ずこの問題に打ち勝って、安心できる体制に戻していくことをお約束したい」

 【連帯の機運】

 「次に、この震災発生から3週間のなかで、私は本当にある意味で、悲惨な震災ではあるが、一方で大変心を揺さぶられるような姿を見ている。それは日本の中で、そして世界の中で、私たち日本のこの危機に対して連帯して取り組もうという機運が非常に高まっていることだ。国内でもややもすれば、日本では人と人とのきずなが薄れてきたといわれてきたが、今回の震災に関しては、自治体の皆さん、企業の皆さん、NPOの皆さん、そして個々人が自らの意思でなんとか支援をしようと、協力をしようと、立ち上がっていただいている。私はこうした人々のきずながあらためてつよく結ばれ、その結びつきが広がっていくことは、日本の新しい、すばらしい未来を予感されるものと、必ずやふさわしい未来を勝ち取ることができると確信している」

 「災害について多くの随筆を残した物理学者の寺田寅彦さんは、日本人は、日本人を日本人らしくしたのは、神代から今日まで、根気よく続けられてきた災害教育だと、その随筆のなかで述べておられる。私は今回の東日本大震災を乗り越える中で、日本人があらためてきずなを取り戻し、そしてすばらしい日本を再生することができると確信している。そのなかで私自身、そして私の内閣は皆さんの先頭に立って、全力を挙げて、がんばりぬくことをお約束を申し上げて、この記者会見冒頭の発言とさせていただく」

 【原発対応】

 ――福島第一原発の事故について。震災から3週間、周辺住民のみならず国民も大きな不安をいまだに抱いている。総理はこれまで予断を許さない状況と繰り返してきたが、現状認識と、今後どういう対応や手段で事態を収拾させる考えなのか。最悪の事態を避けるためにどういうオプションをもっているか。いつになれば事態が落ち着くとみているのか。

 「まず、福島原発事故によって避難など、大変ご不自由をおかけしている皆さんにおわびを申し上げるとともに、色々な形で、野菜など被害を受けておられる皆さんにもおわびを申し上げたいと思っている。現在の福島原発の状況についてだが、先ほど申し上げたように、専門家の皆さんの力を総結集して安定化に取り組んでいるところだ。現在の段階でまだ十分安定化したというところまでは立ち至っていない。しかし、先ほども申し上げたように、あらゆる状況に備えての対応を準備しているので、必ずやそうした安定化にこぎ着けることができると考えている。時期的なメドについては、今の時点で明確に言うことはまだできない状況にある。精いっぱい努力をしている状況にある」

 【政府の体制】

 ――復興についてもう少し具体的なことを。先ほど有識者や地元関係者による復興構想会議を設立するということだったが、政府の体制としては閣僚による本部を想定しているか。その場合には復興担当相をおくと思うが、具体的な人選に入っておられるのか。特に担当相については自民党の谷垣総裁の入閣を要請して拒否されたわけだが、改めて協力を要請するつもりは。また、中長期的な復興計画の作成が必要になってくると思うがいつごろをメドに作成するつもりか。また、巨額になると言うことが確実な復興財源だが、補正予算等の対応に加えて、消費税や所得税の増税は選択肢として考えているか。

 「先ほども申し上げたように、がれき処理など、まずは被災者支援、復旧に向けての補正予算を作りながら、復興に向けての準備を進めてまいりたい。これも先ほど申し上げたが、震災から1カ月目となる今月11日をメドに復興構想会議を立ち上げて、その中でどのような形で復興していくのか、地元関係者を含め、有識者を含め、しっかりと議論をいただきたいと思っている。また同時に、そうした提案を受け止めて実行する体制について、どのような形にしていくか、ということも、この間議論を進めていくことにしている。かつて後藤新平さんがこういうことをしたとか、ああいう例があるとか、あるいは阪神淡路のように、本部を作ってやったとか、いろいろな過去の例も、私自身も聞いている。ぜひとも、効率的で対応力の高い体制を作っていきたい。このことが、どのような形がふさわしいかをこれから並行的に検討して参りたいと思っている。そういった中で、復興担当相というものを置く置かない、あるいはどういう形にする、これもおのずから決まってくることだと思っている。それに必要な財源についても、今年度予算の一部凍結などを振り向ける部分もあるが、それだけで十分でないことは明らかなので、その財源のあり方についてもそういった構想会議、あるいは場合によっては与野党の協議の中で議論を進め、合意形成をはかっていきたいと考えている」

 【大連立】

 ――19日に総理は自民党の谷垣総裁に入閣を要請して拒否されたが、今後も呼びかけを続けるつもりはあるか。今までの与野党対立の経緯をふまえれば大連立というのはなかなか難しいと思うが、どのような環境整備をするつもりか。

 「私が谷垣さんに電話を差し上げたことは事実だが、ぜひお会いしてお話をしたいということを申し上げたわけであり、その内容について、私の方からこの間、何をいったかと言うことを申し上げたことはない。いずれにしても、先ほども申し上げたように、この大震災にあたっては、自由民主党はじめ、各野党の皆さんも、この点についてはしっかり協力をすると、いうことを言っていただいているので、できればそうした皆さんの力を借りる、あるいはさらに言えば、ともに計画をたてていく、そういう形が生まれてくることを期待し、私としては切望している」

 【復興財源】

 ――復興のための財源について、総理は予算の組み替えだけでは足りないと言っているが、それでは、赤字国債というのを視野に入れているのか。それとも増税を視野に入れているのか、それとも両方なのか。

 「これも今申し上げたところだが、今年度予算が成立し、一部の凍結も決めているが、それだけでもちろん復興資金として十分でないことは明らかだと思っている。そういうなかで、どういう財源をもってあてていくかということ、これ自身もある意味、復興構想会議の重要なテーマであると同時に、やはり与野党の協力、あるいは合意がなければそうした予算なり関連法案を成立させることも、できないわけだから、そういう中で議論し、合意形成をはかっていきたいと考えている」

 ――総理のお考えは。

 「そういう構想会議をこれから作ろうという、あるいは与野党で本格的な議論をこれから始めようというところで、私がこれでいくというのは、やはりそういうことにとっては、まずはいろんな意見を聞くというのが今の私の姿勢だ」

 【東京電力】

 ――原発事故を受けて、対応に膨大な資金が必要とされる東京電力だが、政府の公的資金投入や債務保証の可能性は。

 「東京電力の事故によって、色々な補償の義務が生じることは当然予想される。同時に政府としても最終的には、そうした東京電力の第一義的な義務、責任(能力)を超える場合には、やはり政府として責任を持って対応しなければならないと考えている。その上で、現在、東京電力は民間事業者として経営されてきたわけだから、いま申しあげたような形で支援することは必要だと思っているが、基本的には民間事業者として頑張っていただきたいと思っている」

【冷却のオプション】

 ――原発問題の対応は、自衛隊なり消防なり、日本一国で解決を図る姿勢が強かったが、ここ最近は国際社会の協力を強調されている。裏を返すと、国際社会の英知を集めなければならないほど、事態は深刻になっているのか。いまやっていることはとにかく冷却しないといけないと、真水を注入して冷却作業を続ける一方で、汚染水の処理も同時に進めなければならないという一進一退の攻防が続いているが、このオプションを当面続けなければならないのか、あるいは具体的にこれ以外のオプションを採れるのか。

 「国際社会との関係だが、米国からは非常に早い段階から色々な提案を頂いており、私が少なくとも受け止めているところでいえば、そういった申し出に対して、ほぼすべてというか、必要なものについてはすべてぜひお願いするという姿勢で臨んできた。現在、統合本部を中心にして、事業者あるいは保安院、あるいは原子力安全委員会も含めて、連日、米国の専門家との間で色々な課題について協議をし、あるいは色々な準備している。そういう意味で、当初から特に米国に関しては、この対策に対して全面的な協力を頂き、共同してことにあたってきているところだ。加えてフランスやIAEA、さらに多くの国からこの原子力事故に対しての協力要請も頂いており、相当の協力をお願いしているところだ」

 「どういうオプションがあるのかということを言われたが、これは基本的にはそれぞれ専門家集団が協議をする中で、対応を日々、スケジュールを立てて、進めているところだ。私の理解をするところによれば、やはり冷却ということは極めて重要な、そして継続しなければならない一つの作業だ。それに伴って、現在、水の汚染とか色々なことが発生しているが、そうしたものに対してもきちんと対応しなければならない。こういう冷却が将来、冷却機能としてきちんと回復する。そのところまでしっかりとつなげていくことが、やはり一つのまず目標だろうと考えている」

 【被災者生活再建支援法】

 ――被災者生活再建支援法の見直しや総理の認識は。地域の雇用創出についての考えは。

 「仙台も含む宮城県、福島県、岩手県をはじめ多くの東北の各県、あるいは一部関東各県の皆さんに本当に多大な被害が発生し、ご苦労頂いていることにあらためておわびを申し上げ、あるいは激励を申しあげたい。いま、生活再建について、それぞれの被災者に対する支援をどうするのか、さらに増やすのかというようなご質問だと思うが、そのことについては、できるだけ十分な支援ができるよう努力していきたいと考えている。また、雇用については、まずは、がれきの処理などそれぞれの自治体で生じるいろいろな作業について、場合によっては雇用という形で協力を頂き、そして産業基盤を再生させる。そうしたなかで、新たな雇用、あるいは旧来の雇用を回復することが極めて重要だと考えている」

 【退避区域と国際基準】

 ――昨日のサルコジ大統領との会談で、G8などで国内的な原発の安全基準について話し合うとの提案が出たが、原発事故に伴う退避区域の世界安全基準を国際社会で決める考えは。

 「昨日、サルコジ大統領といろいろと意見交換をした。そのなかで原子炉、原子力発電所の安全性に関しての国際基準が現在決まっていないというなかで、しっかり国際的な場で議論して決めていこうではないかという話をしたところだ。そのなかに避難区域に関しての共通的なルールまで含まれるか含まれないか、ということまでは議論していない。まずは炉の問題としてそういうものが必要だということを申し上げた。現在、我が国では、ご承知のように、原子力安全委員会が政府に助言をする。専門家としての助言をすると。もちろんそのベースにはいろいろなモニタリングなど、あるいはいろいろな原発におけるオペレーションなども考えて、専門家の知識を集めて助言する。その助言を頂いて、専門家の皆さんのある意味の提案を尊重するなかでその範囲を決めているというのが我が国の状況だから、日本としては国民の皆さんにその基準を守っていただいていれば健康に対しての被害が生じることはないということで、お願いしているところだ」

 【子ども手当】

 ――今年度予算の一部凍結と言ったが、撤回とか修正は考えないか。特にマニフェストの子ども手当を撤回修正する考えは。

 「いろいろな国会での与野党の議論の中で、子ども手当について、本来なら、1万3千円を3歳児までは2万円に引き上げるといった部分についての政府の案を、国会に出していたわけだが、それを現在取り下げた。そういうことも含め、今後子ども手当を含めてどういう形でそれを継続する、あるいはどういう形にしていくかは今後のもちろん、党内の議論も必要だが、現在のつなぎ法案の成立の過程を含めて与野党の間でしっかり議論をして合意形成をはかっていきたいと思う」

 【原子力政策】

 ――原子力政策の大きな方向性について。サルコジ大統領は厳しい安全基準をつくるとともに、フランスでは原子力政策は前に進めていくという。一方、共産党の志位さんとの会談では、見直すということだけが紹介されている。総理としての大きな方向性は脱原発かどっちか。

 「まず現在、日本の原子力事故としてはもちろん過去にない最大の事故を招いているし、世界的にみても、もちろんもっと大きな事故はあったが、最大級の事故が現在起きているわけなので、何を置いてもやはりこの問題がある程度安定した段階で、徹底的な検証というのが再スタートのスタート点にならないといけない。これはだれもが同意されることではないだろうか。そういう意味で、今回も、この問題が少し安定した段階から徹底した検証を始めていく。その中で、どういう安全性を確保すればわが国の中でこれからの国民の安心も含めて確保できるか。このことはその検証の中から明らかになってくるだろうと思っている。あらかじめこういう方向でいくというよりは、検証からスタートするということだ。エネルギー政策の見直しという表現があるが、これはあくまで、今できている原発の計画について当然、それが今回の検証の中で十分な安全性を保ったものになるのかならないのか、ということも検討することが必要であるという意味で申し上げたのであって、別に結論的に全部もうやめたとか、全部そのままやるとか、そういう意味で申し上げたわけではない」

 【屋内退避】

 ――20キロから30キロの屋内退避について。IAEA、米国、フランス、欧州委員会の原子力事故に対する緊急事態対策マニュアルでは、屋内退避の許容時間を48時間程度と制限している。地震から3週間がたつが、2万人が屋内退避圏内であるがゆえに不自由な暮らしをされている。屋内退避が解除されない理由は。

 「先ほども申し上げたが、こうした避難あるいは退避のこの判断をする場合は、原子力安全委員会の助言を求め、もちろんそれ以外のみなさんのいろんな意見も聞いているが、基本的にはそうした助言を尊重しながら対応している。現在基本的には20キロまでで、安全であるけども20キロから30キロ圏は屋内にいていただく限りは大丈夫だ、という判断のもとにそうしたことをお願いしている。ただ、ご指摘のように、安全性の問題と別な形で生活をしていく上で、たとえば物資の供給が20キロから30キロの間について非常に困難であるとか、そういった問題が生じていること自体は私たちも承知している。それに対してそれぞれの自治体なり、対策本部で対応もしているが、その問題についてどのような形で対応するか、これは、原子力安全委員会と同時に社会的な便宜がどうであるかということも含め、地元自治体といろいろ意見交換をしている。それが現状だ」

 【被災地復興】

 ――被災地の復興について。東北地方を新たなモデルにしたいと言うが、被害の激しい被災地については一部国有化も念頭においているのか。

 「こういう大きな震災が起きた後に、よく有名な話は、後藤新平さんの首都の大改造というか、そういうものを並行してやろうとして、一部実現し、必ずしも構想されたところすべてはできなかったという歴史上の事実も私なりに読んだり話を聞いたりしている。三陸のリアス式海岸において、過去においてもかなり大きな津波が来たところもあるし、今回ある意味、初めて、リアス式ではないところにまで高い津波がきているので、そういうことを考えた時に、どういう土地利用のあり方がいいのか。これは地元の首長さんもそれぞれの方によっていろいろな意見をお持ちの方がいる。そういった意味で、まさに復興構想会議などにそういった土地利用の専門家にも加わっていただき、どういう形があるのかしっかりと検討し、地元あるいは土地所有者の方の合意も含めた中でなければこういうことは進まないので、一つの検討の大きな課題だと考えている」

 ――原発周辺の立ち入り禁止エリアについては。

 「現在、まだ非常に状況が渦中にあるので、まだその後のことまで申し上げるのは、少し今日の時点では早すぎると思う」

 【原子力政策】

 ――広島、長崎で経験した放射線の怖さが再び現実になった。原発の安全神話も崩れた中で、まずは検証からというが、原発を減らしていく方向性は総理として持っていないということか。

 「先ほど申し上げたことに尽きるが、まず現時点でいえばこれだけの原子力発電所の大きな事故が起きているわけなので、これがある程度安定した段階で、しっかりした検証が必要だということに尽きる。同時に多少申し上げれば、エネルギーの利用のあり方として、この間、二酸化炭素を発生しないエネルギー源ということで太陽エネルギー、風力、バイオマス等も大変重要だが、ある意味、原子力も二酸化炭素を発生しない、という意味で見直されてきたところもあったと思う。そういうことも含めて、日本においてどういうエネルギーの供給を、どういうバランスの供給を考えるのかということは、当然ながらこれまでも考えてきたし、これからも考えなければならない問題だと思っている。そういう意味も含めてすべては検証するところから始まっていくと考える」

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