首相官邸の初動対応で、「菅首相の行動が裏目に出た」との批判が出ているのが福島第一原発の視察だ。
地震発生から一夜明けた12日早朝、首相を乗せた陸上自衛隊のヘリコプターが官邸屋上から同原発に向かった。「とにかく現場が見たい」との首相の強い意向で、視察は約50分続いた。当時、1号機は原子炉格納容器内の圧力が高く、首相が視察にたつ約3時間前には、海江田経済産業相らが弁を通じて高圧の蒸気を放出するベント作業を急ぐよう指示。だが、実際の作業着手は、首相が視察を終えた1時間後だった。
枝野官房長官らは視察の影響を否定するが、蒸気放出で放射性物質も原子炉外部に拡散するため、「首相に危険を及ぼさぬように作業を遅らせた」(自民党幹部)との見方が広がった。
(2011年4月1日09時32分 読売新聞)
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