Tuesday, July 12, 2011

12/07 よみうり寸評

7月12日付 

 〈原発の安全性新基準に関する政府の統一見解〉などといえば、もっともらしいが、何のことはない◆菅首相と海江田経産相の閣内不一致を取り繕うためのものだ。新たな安全評価を2段階で行う。1次評価を設けて経産相の、2次評価で首相の顔を立てる◆が、安全性確認のストレステスト(耐性検査)は1次、2次の時期も内容も定かでない。首相が唐突にテストを持ち出し、経産相のはしごを外して始まった閣内不一致だ。場当たり指示のほころびを繕う統一見解もまた場当たり的でしかないようだ◆九州電力玄海原発などの再稼働は1次で判断するというが、見通しは不透明。地元自治体の不信感修復は難しく菅政権はいよいよ空疎、迷走の度を強めている◆首相の行動は対案なき「脱原発」に傾いても見え「疑似市民運動の野望家らしい振る舞い」「場当たり政治家」(西岡参院議長)と厳しい批判が一層強まった◆リーダーが思いつきで場当たり的な指示を連発すれば、部下は疲れ果て周囲の迷惑は募るばかりだ。
(2011年7月12日13時55分  読売新聞)

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