Monday, March 28, 2011

28/03 燃料プールへの放水、縮小へ ポンプでの注水が軌道

2011年3月28日14時15分

 東京電力が、福島第一原発の使用済み燃料プールへの放水を縮小する方向で検討していることがわかった。既設の配管を使った注水が2~4号機で始まったことに加え、コンクリートポンプ車によるピンポイントの注水が軌道に乗ったためだ。東電幹部は「このままうまくいけば、もう放水はやらない」としている。

 放水は高い放射線量の中での作業を強いられる。放水で漏れた水が周辺の放射能とともに海に流れ込む懸念もある。放水を縮小することで、こうした危険が減らせる。

 経済産業省原子力安全・保安院によると、2~4号機では20日以降、燃料プールの水を循環させる既設の配管を使い、ポンプで海水を注入する作業が相次いで始まった。

 東電によると、この注水によって、2、4号機ではいずれもプールからあふれた水を受け止めるタンクの水位計が上昇。東電は27日、2号機のプールは満水、4号機も満水の可能性があると判断した。

 1号機でも現在、既設の配管を使った注水を始めるための工事が進んでいる。

 コンクリートポンプ車による注水も27日、4号機に続いて3号機で始まり、2時間で100トンの水を入れた。長いアームでプールの真上から水を入れるため、放水よりも確実に水を入れられる。

 放水は原子炉建屋が相次いで爆発し、使用済み燃料の露出の危険性が表面化した17日に始まった。陸上自衛隊のヘリコプターが上空から水を投下し、自衛隊と警視庁の放水車も加わった。19~20日には東京消防庁のハイパーレスキューが13時間半にわたり2400トン以上を放水。その後、各地の消防も投入された。

 ただ、放水が縮小された場合でも、消防ポンプ車は既設配管を使ったプールへの注水や、原子炉への注水に使われており、東電幹部は「消防車のポンプはバックアップとして強力。今後も海水のくみ上げなどで協力してもらいたい」としている。

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