Friday, July 8, 2011

08/07 よみうり寸評

7月8日付 

 「政府のやり方は人を小ばかにしている。九州電力のやらせメールは言語道断」と佐賀県玄海町の岸本英雄町長。不信と憤慨は当然だ◆国のエネルギー政策の両輪、政府と電力会社がそろって原発立地の自治体、ひいては広く国民に不信をばらまいてどうする◆岸本町長は政府のお墨付きを信じ、玄海原発の再稼働をいったんは了承した。が、撤回に転じたのは無理もない。了承後、唐突にストレステスト(耐性検査)の話。順序が違う。首相は思いつきでものを言い過ぎる。「小ばかにして」と思う◆そんなところへ、やらせメール事件だ。九電には了承の際「ヒューマンエラーがないよう強く要請したのに」。やらせはエラー以前の問題。卑しさが情けない◆「九電との信頼関係に亀裂が入った」と町長。県民への説明会の公正を疑わせては再稼働賛成派も反発する。原発の安全神話の成立にも不信を生む逆効果の愚行◆九電社長の謝罪会見も差し入れられたメモで話が変わるお粗末。最高責任者らしからぬ会見だった。
(2011年7月8日13時44分  読売新聞)

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