禁錮2年の実刑に男は不満げに吐き捨てた。「俺が悪いの?」。大阪市で5月、男性2人が死亡した交通事故を巡って、大阪地裁が先月、男に言い渡した判決だ◆男は交通量の多い国道を自転車で横断していた。これを避けようとした乗用車が左車線に回避。そのあおりで後続のタンクローリーが歩道に乗り上げ人をはねた◆起訴されたのは男だけ。クルマの2運転手は嫌疑不十分で不起訴。2人の回避行動はやむを得ず、自転車が事故を誘発した、という判断だった◆「不公平な処分」。そう映ったのだろう。男は公判中もすねた様子。「自分が謝ったら不利になる」「俺が悪かったのなら、すみません」◆男の言葉に裁判官は怒気を含んで言い返した。「あなたが謝る謝らないで有罪無罪を決める裁判官はい ません」。男は判決にかみついてはみたものの、後で反省したのか控訴を断念した◆自転車のマナー違反は目に余る。警察庁は取り締まりの強化に乗り出している。謝って済むのなら、裁判官…いや、警察はいらない。
(2011年12月3日13時58分 読売新聞)
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