Monday, July 4, 2011

04/07 よみうり寸評

7月4日付 

 〈長幼の序〉は心得るべき徳目ではあろうが、大臣と知事の関係で、とりわけ仕事で会談する際などに持ち出す話ではあるまい◆松本復興相の3日の言動には唖然あぜんとした。宮城県庁を訪れた際、村井知事が会談の部屋へ後から入ってきたことをなじった話だ。「お客さんが来る時は自分が入ってから呼べ」と偉そうに述べ、長幼の序を持ち出した◆「自衛隊ならちゃんとやるぞ」とも言った。同県の要望には「県でコンセンサスを得ろよ。そうしないと我々は何も知らんぞ」と極めて高飛車。人間の地が出たと見る◆これに先立ち岩手県庁では、達増知事と復興について会談し「知恵を出したところは助けるが、知恵を出さないやつは助けない」と述べた◆「九州の人間だから(東北の)何市がどこの県とか分からん」と冗談めかした発言もあった。被災地で、しかも復興大臣のこんな発言が冗談で通るとでも思うのだろうか◆復興の先行きが心配だ。長幼の序にも半可通のようだが、〈傲慢ごうまん無礼〉の不徳は知らないらしい。
(2011年7月4日13時49分  読売新聞)

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