2011年5月17日8時16分
定期検査中の九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)2、3号機の営業運転の再開が、7月以降にずれ込む見通しになった。再開の前提となる佐賀県議会の同意を5月中に得ることが難しくなったためだ。九電の原子炉は3基が止まっており、再開のめどが立たないまま、冷房需要が増える夏を迎えることになる。
九電は玄海2、3号機の営業運転を4月中に始める予定だった。ただ、福島原発事故で地元住民の不安が高まったことを受けて、地元の同意を得るまで運転再開を見合わせている。
地元同意のカギを握る佐賀県議会は16日、玄海原発についての特別委員会を6月2、3日に開くことを決定。九電などから耐震・津波対策の説明を受けるが、特別委の木原奉文(ほうぶん)委員長は朝日新聞の取材に「県民が納得いく議論をするには2日間では難しい」として、同意手続きを慎重に進める方針。原子炉は再起動してから営業運転を始めるまでに3~4週間かかる。
九電は川内原発(鹿児島県薩摩川内市)1号機も10日から定期検査のために止めている。九電の供給計画では、原子炉3基が止まっていても、冷房などで最も電気を使う8月の最大電力は、ぎりぎり確保できる見通し。ただ、渇水で水力の発電力が落ちたり、例年以上に暑くなったりした場合、本格的な節電が必要になる可能性もある。(岩田正洋、大畑滋生)
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