Tuesday, May 17, 2011

10/05 福島第1原発:海外向け広報は丁寧、迅速に 政府が説明会

 東京電力福島第1原発事故の海外向け広報に、政府が躍起になっている。4月上旬に汚染水を放出した際、中国や韓国など諸外国から「説明不足」と批判され、農産物などへの風評被害が拡大したためだ。8日の原子炉建屋とタービン建屋の間にある二重扉の開放にあたっては、6日前、2日前、当日と「3段構え」で、東京の在日大使館向けに説明し、丁寧さ、迅速さをアピールした。

 政府の原発事故の海外向け広報は当初、後手後手に回った。事故直後の3月12日のベント(放射性水蒸気の大気中への放出)の際は、事後説明のみ。汚染水放出でも、在日大使館向け説明会は3時間前、すべての大使館と国際機関にファクスとメールを送り終わったのは放出の2分後で、中国の温家宝首相は菅直人首相に電話で、日本の対応への懸念を伝えていた。

 二重扉開放にあたって「認識不足を反省した」(外務省幹部)政府は大型連休中の2日と6日に在日大使館関係者への説明会を開催。延べ47カ国・2国際機関が参加した。開放3時間前の8日午後5時ごろに、149カ国の大使館と欧州連合(EU)、35国際機関にファクスとメールを送信し、その後、各国から懸念は出ていないという。

 松本剛明外相は10日の記者会見で「汚染水放出の説明で厳しい評価を受け、改善が必要だった」と述べた。【大貫智子】

毎日新聞 2011年5月10日 22時18分

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