の強さ、シーベルトは体への影響度です
なるほどヒヨコ 原子力発電所の事故が起きてから、ニュースでよくベクレルとかシーベルトという言葉を聞くけど、いったい何のこと?
記者 ベクレルは、フランスの物理学者、アントワーヌ・アンリ・ベクレル(1852~1908年)の名前です。ウランから、エックス線以外の放射線が出ていることを確認した人で、ノーベル物理学賞の受賞者です。シーベルトも、スウェーデンの物理学者、ロルフ・マキシミリアン・シーベルト(1896~1960年)から来ています。放射線測定器を開発した功績で、その名前が単位になりました。
ヒヨコ 何を意味するの?
記者 ベクレルは、放射線を出す能力「放射能」の強さを表す単位です。
原子力発電の燃料に使われるウランやプルトニウムは、放っておくと、勝手にどんどん壊れる「核分裂」を起こします。この時、人間の体に有害な放射線を出します。ベクレルは、1秒間にどれだけ壊れるかを表す単位。値が多いほどたくさんの放射線が出ます。
ヒヨコ じゃあ、1ベクレルよりも10ベクレルの方が、体への影響も大きいってこと?
記者 どんな物質から放射線が出たのか、また放射線を体に浴びたか、放射性物質を含む食品を食べたかによって、体への影響は変わります。つまり、ベクレルの値が10倍といって、体への影響は必ずしも10倍ではありません。
ヒヨコ 難しいなあ。
記者 具体的に説明しましょう。放射性物質「セシウム137」が、1キログラムあたり1万ベクレル検出された食べ物があるとします。この食べ物を一度に500グラム(0・5キログラム)食べると、その場合の体への影響は、0・065ミリシーベルトです。
ヒヨコ どんな計算なの?
記者 ベクレルをシーベルトに換算する決まった数「係数」があります。セシウム137を食べた場合は、ベクレルの値と食べる量を掛けたものに、さらに係数0・000013を掛けます。「ヨウ素131」を含む食べ物を食べた場合は、係数は0・000022です。ヨウ素131が1キログラムあたり10万ベクレル検出された食べ物を0・5キログラム食べた場合、1・1ミリシーベルトです。ベクレルの値は先ほどの10倍ですが、体への影響は17倍です。ニュースでベクレルを見つけたら、計算してみてください。
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