旧ソ連・ウクライナのチェルノブイリ原発事故から25年となる26日を前に、各国が首脳級で原発の安全性などを協議する原子力安全サミットが19日、首都キエフで開かれた。福島第一原発の事故を受け、原発の安全基準強化を求める発言が各国から相次いだ。
フランスのフィヨン首相ら首脳級を含む約50の国・機構の代表が参加した。
潘基文(パン・ギムン)・国連事務総長は演説で「最高の技術を持つと思われていた日本で悲劇的な事故が起きた」と指摘。この事故を教訓とし、各国が責任を持って津波などに対する安全対策を講じるべきだと強調した。
欧州連合(EU)のバローゾ欧州委員長も「原発の安全基準強化が各国の最優先課題だ」と指摘。カザフスタンのナザルバエフ大統領は、新たに原発を導入する国々にも「新しいアプローチが必要だ」と述べた。
日本からは高橋千秋外務副大臣が参加し、福島第一原発の現状や事故の経緯などについて報告する。
19日午前には、チェルノブイリ事故の今後の長期的対策を主要8カ国(G8)がウクライナと話し合う支援国会合があった。チェルノブイリでは、25年前に原子炉からの放射能を封じ込めたコンクリート製「石棺」の老朽化対策が急務。ウクライナのヤヌコビッチ大統領は会合後、少なくとも5億5千万ユーロ(約650億円)の拠出が確約されたと発表した。
チェルノブイリ原発事故は1986年4月26日に発生。原発から半径30キロ圏内では、現在でも居住などが禁止されている。(キエフ=玉川透)
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