Wednesday, April 13, 2011
13/04 余録:「レベル7」- Murphy's law
「ライフルは弾が入っていなくても10年に1度は人を撃つことがあり、熊手(くまで)ですら100年に1度は人を撃つことがある」。万事、油断ならないというロシアの金言だそうだ。「21世紀版・マーフィーの法則」(アスキー)の序文で知った▲「いくつかの失敗が起こりうる場合、最悪な失敗が起こる」というのは、そのマーフィーの法則の一つである。なるほど、ありえないといわれた原発事故も起こってしまったし、起こってみればたちまち「最悪」になった。福島第1原発事故の「レベル7」認定である▲むろんマーフィーの法則は単なる皮肉にすぎない。だが「失敗の可能性があれば、自然はいつもその味方をする」「どんな状況でも、なすべきことは、後々、事態が進展してからはっきりする」といったその変化形を聞けば、思い当たる節の多いこの間の成り行きだ▲そもそも数万テラベクレル以上の放射性物質が環境に放出されれば、レベル7という。今回は少なくとも37万テラベクレルというから、すでに大幅な基準超過であった。ちなみにチェルノブイリ原発事故では520万テラベクレルが放出された▲これに先立ち政府は新たに放射線の年間累積線量が基準を上回る恐れのある地域住民に1カ月以内の避難を要請した。ようやく汚染実態に即して避難範囲を見直したのだが、住民の困惑は想像に余りある。せめて避難住民への手厚い対応だけは後手に回らぬよう願う▲「最悪」にいたる事態の過小評価はなじりたくもなるが、今は原発安定化にみなが全力を注ぐ時だ。マーフィーの法則もいう。「しくじった理由を説明するよりも、正しく行う方が短時間ですむ」
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