雅子さま48歳 愛子さま成長「励み」
皇太子ご一家と愛犬の由莉(ゆり)(11月23日、東宮御所で)=宮内庁提供
皇太子妃雅子さまは9日、48歳の誕生日を迎えられた。これに先立ち文書で発表した感想で、東日本大震災の被災地訪問の際、被災者らに体調を気遣ってもらったことに感謝し、「苦労している皆さんのことを思わない日はありません」とされた。今月1日に10歳になった愛子さまの成長が「日々の励み」とされた。
一方、東宮職医師団は9日付で、雅子さまの適応障害について、着実に回復しているが、心身の状態の波が続いているとの見解を発表した。(2011年12月9日付朝刊掲載記事)
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お住まいの東宮御所で談笑される皇太子ご一家(11月23日)=宮内庁提供
また、愛子の学校のことが私の生活の中で大きな部分を占めてきた年でした。 この問題では、多くの方にご心配をいただいていることと思いますが、昨年から、皇太子殿下とご相談をしながら、どうすれば愛子が安心して学校に通うことができるようになるか、そのために、親として何をしてあげられるのか、日々考え、力を尽くしてまいりました。 学校とも相談を重ねてまいりましたが、愛子の学校への付き添いは、与えられた状況の中で唯一取れる可能性として続けてきたものでした。
そして、今年の9月には、学校からも参加をすすめられ、愛子自身も是非参加したいと希望した、山中湖での2泊3日の校外学習がありました。この時、先生方のご配慮を頂き、私が少し離れて付き添う形で、全行程一人で、お友達の皆さんととても楽しく参加できたことが、学校生活に戻っていく上での大きな自信と励みになったように感じております。そして、このことは、学校の先生方もとても喜んで下さり、ありがたく思っております。その後、愛子が私の付き添いなしに通学する日も増えてくるなど、段々と良い方向に向かってきていると思います。また、愛子は、4年生になり、学校の特別クラブの活動として管弦楽部に入部し、お友達と一緒にチェロの練習に励むなど、これまで以上に様々な分野に関心を持ち、色々なことに取り組んできております。 一つ一つ成長していく子供の姿をみることは嬉 しく、私にとり、日々の励みになっております。 今後とも、愛子が安心して学校生活を送ることができるように、愛子自身の気持ちをよく聞きながら、学校の理解と協力をお願いしつつ、私も出来る限りの手助けをしてまいりたいと思っております。
このような中にあって、 天皇皇后両陛下には、温かいお心遣いをいただきながらお見守りいただいておりますことに心からお礼を申し上げます。天皇陛下には、先頃ご退院になられましたが、お後も、呉々 もお大事になさって頂きますよう心よりお祈り申しあげます。また、皇太子殿下にもいつも変わらずお支えいただいていることに感謝申し上げております。
国民の皆様には、私自身や、愛子のことにつき、日頃より温かい気持ちをお寄せいただき、この機会に厚くお礼を申し上げたいと思います。 私自身、引き続き快復 に向けての努力を続けながら、愛子に必要な手助けをしていくとともに、被災地を始め困難な状況にある方々に心を寄せていきたいと思っております。これからも温かく見守って頂ければ幸いに存じます。
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皇太子妃殿下のお誕生日に際しての東宮職医師団見解
皇太子妃殿下におかれましては、皇太子殿下のお支えを受けられながら、ご自身が懸命に努力され、ゆっくりとではありますが、着実に快復 されてこられました。 しかしながら、今なお心身の状態の波が続いておられ、そのため引き続きご治療を必要とされる状況にいらっしゃいます。
そうした中で、昨年3月以来、妃殿下は愛子内親王殿下の学校での問題の対応に懸命に取り組んで来られました。 妃殿下には、必ずしも万全でないご体調の下、内親王殿下が安心できる環境でご通学がおできになるように、母親として細やかな気配りをされながら、学習院初等科を始めとする関係の方々と丁寧に相談を続け、内親王殿下を全力で支えてきていらっしゃいます。 そもそも、こうした学校へのお付き添いは、学校側と協議を重ねたあげくに、内親王殿下が学校生活に戻ることが出来る唯一の方法として始められ、続けてこられたものであり、これは妃殿下にとってご体調面からも非常な努力を要するものでありました。 妃殿下のこうしたご尽力の結果、内親王殿下のご通学に関わる問題は良い方向に向かうようになっており、お付き添いなしのご通学がお出来になる日々が出てくるようになりました。 こうしたなか、この春の東日本大震災の際には、災害の大きさに非常に心を痛められ、被災者に寄せる思いを強くお持ちになり、様々な工夫をされてご体調を整えられながら、専門家のお話を複数回にわたりお聞きになられた後被災地をお見舞いのためご訪問になられました。 ご体調の波がおありになりながらも、妃殿下ご自身が頑張られてご訪問が叶 ったことは、東宮職医師団としては着実なご快復 の兆候であったと受けとめました。
こうした状況のなかで、東宮職医師団としては、最近、週刊誌を中心として、ご病気に苦しまれながらもさまざまなご活動に懸命に取り組んでいらっしゃる妃殿下のご努力を否定するかのような、悪意ともとれる誤った情報に基づく報道が、関係者とされる人物の発言の引用を含めてなされていること、そしてそのことに対して妃殿下が心を痛めていらっしゃることへの強い懸念を表明いたします。 このような報道はこれまでも繰り返されていて、これが続くことは、妃殿下の更なるご快復 の妨げになるのみならず、ご病状の悪化にさえつながります。 妃殿下は、ご体調に波がおありのなか、できるだけのことをしたいと誠意を持って懸命に頑張っていらっしゃいますが、そのご努力を否定するような批判的な報道が繰り返されますと、妃殿下は自信をなくされますし、安心して先に進むこともおできになりません。 心のケアが重要な社会的課題になっているなか、このような心ない報道が平然と繰り返されている現状に、東宮職医師団は専門家として憤りを覚えるものであり、この状況が改善されない限り順調なご快復 は望めないと考えております。
皆様におかれましては、何よりも、妃殿下がいまだにご病気ご治療中であり、その中でご快復 に向けて力を尽くしていらっしゃることを理解していただき、温かく見守っていただきますよう重ねてお願い申し上げます。
(2011年12月9日 読売新聞)
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