Sunday, July 10, 2011

10/07 春秋



2011/7/10付
 「どこが市街で、どこが郊外か、区別するのは難しい」。きのうスーダンから分離独立した南スーダンの首都ジュバを、中国メディアはこう形容した。「草ぶきの家が密集し、中国の農村のような市場があれば、そこが繁華街だ」とも。
▼スーダンが英国から独立する前から、半世紀以上にわたり繰り返されてきた内戦。「南部スーダン」と呼ばれてきたこの地域の社会基盤は壊滅的な打撃を受けたという。世界で最も新しい独立国は、教育、治安の維持、医療や衛生といったサービスを、ほとんど文字通り「ゼロ」から築いていかなくてはならない。
▼それでも、南スーダンの人々の多くは意気軒高なようだ。内戦を逃れて国外に移り住んでいた難民たちも、続々と帰国している。やはり中国メディアの報道だが、8歳の時に故郷を離れて以来22年ぶりに母親と再会した青年は、第二の故国とも言うべき米国での生活をなげうって故国に尽くそう、と決めたそうだ。
▼「私はここに属している。よその土地は私を必要としていないが、ここの人たちは私を必要としている」。青年の言葉は感動的だ。長い目でみれば、豊かな石油資源に恵まれた南スーダンは飛躍的に発展する可能性を秘めている。生まれたばかりの国が、健やかに育つことを願う。大切なのはやはり、平和だろう。

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