Wednesday, June 29, 2011

29/06 よみうり寸評 - 〈身体髪膚これを父母に受く、あえて毀 き 傷 しょう せざるは孝の始めなり〉


6月29日付

 〈身体髪膚これを父母に受く、あえてしょうせざるは孝の始めなり〉――中国の古典・孝経の教えだ◆ルールに反した腎臓移植の事件に、古く遠い教えを思い浮かべた。父母にもらった大切な臓器を軽々に売買したりするなと言いたい。無論、正当な医療のためのメスなら何の支障もない◆が、生体腎移植を巡り警視庁が捜査中の臓器売買仲介事件のような話は別になる。しかも今回の事件は腎臓を求めた本人が病んだ医師で、仲介、提供者に暴力団組員や元組員が登場、提供者には生活保護受給中の背景もあった◆1000万円の報酬に上乗せを要求されるトラブルなどの末、実際の移植は、別の病院で新たな提供者から行われた。結果、2度も養子縁組をしている◆施術した病院は倫理委員会を2度開いたが、売買や養子縁組に疑いを持たなかったという。???な話。今後の捜査の焦点になろう。臓器を売買するあさましさ、おぞましさが悲しい◆〈身体髪膚〉まで持ち出して、医師に医の倫理を問うような事態が情けない。
(2011年6月29日13時51分  読売新聞)

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