Wednesday, June 29, 2011

29/06 編集手帳 - 〈六月や読めねど譜面美しき〉(堤一巳)


6月29日付

 公演は3日間。日本滞在は計102時間。ギャラ6000万円。警備に動員された警察官延べ8400人。その経費9000万円。補導された少年少女6500人余…◆その大騒動を、作家の半藤一利さんが著書『昭和史戦後篇』(平凡社)で数字にまとめている。英国のロックグループ、ザ・ビートルズの4人が来日したのは1966年(昭和41年)6月29日、45年前のきょうである◆補導された少年少女も、いまは還暦にさしかかる年齢だろう。「総選挙だか何だか知らないけど、同じCDを一人で何枚も買ってサ、そんなにまでして投票したいものかい? 最近の若いやつのやることは分からねえなあ…」。自分たちが熱狂した昔は高い棚に上げて、ぶつぶつ言っている人がいるかも知れない◆先日は美空ひばりさんの命日を取り上げたばかりだが、きょうは「荒城の月」を作曲した滝廉太郎の忌日でもあり、あすは「靴が鳴る」「浜千鳥」の作曲家弘田龍太郎の誕生日にあたる◆梅雨どきの憂鬱ゆううつを慰めてくれるかのように、唇にメロディーの浮かんでくる日がつづく。〈六月や読めねど譜面美しき〉(堤一巳)
(2011年6月29日01時21分  読売新聞)

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