東京電力は4日午後7時過ぎ、福島第一原子力発電所で高い濃度の放射性物質を含む汚染水の貯蔵先を確保するため、低濃度の汚染水約1万1500トンの海への放出を始めた。
5日間かけて流す。原子炉等規制法第64条にもとづく緊急措置で、経済産業省原子力安全・保安院は「危険を回避するためのやむを得ない措置」として了承した。東電は「健康への影響は小さい」としている。今回の事故で汚染水を意図的に海へ放出するのは初めて。
放出するのは、4号機南側にある集中廃棄物処理施設内にたまった水約1万トンと、現在は冷温停止している5、6号機のタービン建屋周辺の地下水約1500トン。50メートルプール6~7個分に相当する。
集中廃棄物処理施設にたまっている水の放射性ヨウ素131の濃度は、海水の濃度基準の157倍ほど。5、6号機周辺の地下水は海水と雨水が混ざったものとみられ、5号機が同40倍、6号機が同500倍。同10億倍の2号機タービン建屋の汚染水と比べ、放射性物質の濃度はずっと低い。今回、海に放出される計1万1500トンの汚染水に含まれる放射線の総量は2号機タービン建屋内の汚染水の9リットル分程度だ。
(2011年4月5日01時28分 読売新聞)
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