茨城県沖でとれたコウナゴから暫定規制値を超える放射性セシウムが検出されたことを受け、築地市場(東京都中央区)ではコウナゴを扱うつくだ煮業者などに取引先から産地証明を求める声が相次いでいる。
ほかの魚の取引にも影響が出ており、仲卸業者たちは「風評被害が心配」と話している。
築地場外市場のつくだ煮販売会社「つくはん」には、5日から取引先のスーパーやデパートから産地を証明する書類を求める電話などが相次いだ。「茨城県のコウナゴはシーズンが始まった時期に地震があり、入荷は全くないのに」と堀田薫社長(61)はため息をつく。現在、市場に流通しているのは愛知、三重県産。「今年は西日本が豊漁で、茨城以北のものがなくても十分に足りる」とするが、「放射能という言葉が独り歩きして買う人がいなくなるかもしれないと思うと怖い」と話す。
一方、築地市場のある仲卸業者は取引先のホテルから千葉県で水揚げされたマグロは買わないと通告されたという。築地市場の卸売会社社員は「茨城県沖などで取れた魚介で、放射性物質の検査がされていないものは、買い手がつかないだろうから今の時期、扱いにくい」と話した。
(2011年4月7日10時38分 読売新聞)
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